第55回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」
今回も、初めての方5名を含め、近くから遠くからそれぞれの思いをもってのカフェに参加してくださいました。超ご多忙なのに暇気な風貌で私たちに「言葉の処方箋」を下さる樋野先生も、格調高い講話に加え、なんと、7件の面談を受けて下さいました!!!皆様本当にありがとうございました!
さて、今回も参加しても、参加することが出来なかった方たちも多数おられますので、今回の様子をご報告させて頂きます。
まずは、樋野先生のリクエスト、「365日の紙飛行機」を歌ってスタート。淀橋カフェのテーマソングの一つですが、一番よく歌われるものです!
そして、お待ちかねの樋野先生の前半の講話です。
☆「365段の階段」
→伊香保温泉に365段の階段がある。
365段の階段の脇に新渡戸稲造が鬱的になった時に保養した宿がある。
新渡戸は、それでも良くならなかったので、36歳ぐらいの時にアメリに行った。
その時に書いたのが「武士道」
☆「何がいいか悪いかわからない」
→新渡戸稲造が鬱的にならなかったら「武士道」はできなった。
→大変と思っても、何かができる
☆「“どう飛んだか”“どこを飛んだのか”が重要」
☆「世界で一番かわいい犬」として人気を呼んでいたポメラニアンの「ブゥ」が今月、天国へ旅立った。
☆「犬の十戒」
1. 私の一生はだいたい10年〜15年くらいしかありません。ほんのわずかな時間でもあなたと離れていることは辛いのです。私のことを飼う前にどうかそのことを覚えておいてください。
2. あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って下さい。
3. 私を信頼して欲しい。それだけで私は幸せです。
4. 私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
5. 時には私に話しかけて下さい。たとえあなたの言葉そのものはわからなくても、私に話しかけているあなたの声で理解しています。
6. あなたがどんな風に私に接したか、私はそれを全て覚えていることを知って下さい。
7. 私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて下さい。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めていることを。
8. 私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか考えて欲しい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それか、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれないと。
9. 私が年をとってもどうか世話をして下さい。あなたも同じように年をとるのです。
10. 最後の旅立ちの時には、そばにいて私を見送ってください。「もう見ているのがつらいから」とか「私のいないところで逝かせてあげて」なんて言わないでほしいのです。あなたがそばにいてくれるだけで、私にはどんなことでも安らかに受け入れられます。
そしてーー どうか忘れないで下さい。私はあなたを愛していることを。
<ブスの25箇条(宝塚音楽学校の舞台裏に貼られていた有名な言葉)>
1. 笑顔がない
2. お礼を言わない
3. おいしいと言わない
4. 精気がない
5. 自信がない
6. グチをこぼす
7. 希望や信念がない
8. いつも周囲が悪いと思っている
9. 自分がブスであることを知らない
10. 声が小さくいじけている
11. 何でもないことにキズつく
12. 他人にシットする
13. 目が輝いていない
14. いつも口がへの字の形をしている
15. 責任転嫁がうまい
16. 他人をうらむ
17. 悲観的に物事を考える
18. 問題意識を持っていない
19. 他人につくさない
20. 他人を信じない
21. 人生においても仕事においても意欲がない
22. 謙虚さがなくゴウマンである
23. 人のアドバイスや忠告を受け入れない
24. 自分が最も正しいと信じている
25. 存在自体が周囲を暗くする
☆「気にすることなくやり遂げなさい」
→目的を達しようとするとき邪魔する人がいるでしょう・・・
☆「良き友のモデル」
→エリサベツ(ヨハネのお母さん)とマリア(イエスのお母さん)。
彼女たちがどのように付き合ったか?3か月同居。
周りからどう見られ、どう過ごしたか?
→訪れた人を温かく迎い入れる(がん哲学外来のモットー、原点)
→「タミ(勝海舟の奥さん)」と「クララ(『クララの日記』を書いた)」。
クララの母が死んだときにタミは「悲しい時には 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 幸せな時には 一緒に笑いましょう。さあ勇気をお出しなさい、—— これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外に日はないと思って ただ毎日をお過ごしなさい」
☆「樋野先生の夢」
→勝海舟、新島襄、内村鑑三、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、吉田富三、菅野晴夫、Knudson、と10人で天国でカフェを開くのが樋野先生の夢。
☆「楕円形のこころ」
→内村鑑三「「真理は円形にあらず、楕円形(だえんけい)である。・・・人は何事によらず円満と称して円形を要求するが、天然は人の要求に応ぜずして楕円形を採るはふしぎである。 」
→がん遺伝子とがん抑制遺伝子、交感神経と副交感神経など、相異なるものが緊張感の上で共存することが生命現象(必要)。
→仲良しグループにならない。自分と違う存在を認める。正常細胞は楕円形。
→仲良しグループは、3年後にはがん化する。がんは同心円。
☆「存在自体に価値があるから人を非難したり評価したらダメ!」
→ちゃんと見てる人がいる。
→生命現象から具象的に語る
→俯瞰的(森を見て木の皮まで見る)に見る
運転席の中から先を見るのではなく、空の上から道路を走る車を見る
→木の皮ばっかり見て、森を見ないのもダメ
→正常細胞とがん細胞
☆「心の通じ合う人と出会う人ことが人間の一番の楽しみ」 by新渡戸稲造
☆「思い出づくり」
→10年後30年後
☆樋野先生は3歳の時の思い出がある・・・。お母さんが樋野先生をおぶって隣村の診療所に連れて行くときの記憶・・・真っ暗闇のトンネルを過ぎている。
→南原繁(母子家庭)も、2歳のときに、隣の村に行くときにお母さんにおんぶしてもらった記憶がある。その時、夜、月が見えてた。お互い話したことが本に書かれている。
→子供の時におんぶすることは良い・・・大人になっても思い出す。
☆「訳がわからないのが良い」
いかがですか?すごいですね!
格調高い講話の次は、樋野先生との個人面談&テーブルトークです。
何人かの方々に感想を聞いてみました。
☆「毎回のように参加していますが、今回も初めての方とのテーブルで、色んな話をできてよかったです。」
☆「一人の時は、自分の悩みばかりが、気になるけど、グループになると、一人だと絶対に考えないようなことを考えることができるので、月に一度カフェに参加することは必要だと思いました。」
☆「『がん哲学外来 メディカル・カフェ』は、がん患者だけが集まる『がん患者の会』ではなく、いろんな人と交わる中で色んなことを気づかせて頂く場だと知り、うれしかったです。」
☆「ホメオパシーについて聞くことができて良かったです。実りが多かったです。予防注射についての話や今後の生き方についてなど多岐にわたってお互いに話をすることができてうれしかったです。」
☆「初めて長野から来られた方もおられ『すごいな』って思いました。」
☆「カフェを始めたいので参加しました」
☆「お仕事の合間を見て参加して下さった方もおられました。」
☆「犬の十戒の話で盛り上がりました。人間関係にも通ずる話だと思いました。」
そして、後半の樋野先生の講話もおすそ分けします☆
☆「あいまいなことは曖昧に応えるのが科学的」
→何言っても良いかわからない時
☆「福島のがん哲学外来で樋野先生が学んだこと」
→今でも毎月1回、樋野先生はがん哲学外来をやっているが、2011年のがん患者は自分のがんのことよりも、息子やお嫁さんのことや、放射能の相談が多かった。
→先生によって言うことが違うと、人はセカンドオピニオンショッピングになりがち。
→知識は、70%。知識は曖昧なことが多い
→グレーゾーンを確信をもって語るには「愛」しかない。
愛をもって「わかりません」と言えば、解決はしなくても解消はする。
→結論や解決をする必要ない。解消が大切。
→解決しなくても解消する場ががん哲学外来!
自分の悩みはどうでもよくなり、相手のことを考えれるようになる。
☆「人間は不条理の世界に生きている。」
→「同じことでもある人は悩み苦しむのに、ある人は喜びにあふれる」by神谷美恵子
☆「神谷美恵子」
「同じ条件の中にいても、あるひとは 生きがいが感じられなくて悩み、ある人は生きるよろこびにあふれている。このちがいはどこから来るのであろうか」というのが命題。そして「生きがい」を執筆。
→神谷美恵子は前田多門の娘。前田多門の仲人が新渡戸稲造。神谷美恵子が3歳ぐらいの時に新渡戸が家に行って美恵子をあやしていた。「新渡戸先生が私を膝に抱いて頬をつねってくれた。それが私の一生の思い出です」
神谷美恵子生誕100年記念講演会で、日野原先生、樋野先生も講演された。
☆「3歳の出会い」
→3歳の思い出でも一生覚えている。樋野先生、神谷美恵子、南原繁など
→南原繁も、3歳のときに、お母さんにおんぶしてもらった記憶がある。その時、夜、月が見えていた。お互い話したことが書かれている。
☆「形容詞の世界に生きている」
☆「日野原先生」
→103歳で召天
→樋野先生が最初に出会ったのは穂高の講演。
→「よど号事件」年齢をごまかした人もいたが・・・日野原先生は正直
「残りの人生は人のために使う」
→95歳の時に聖路加病院で樋野先生と一緒に講演
☆「自分の命よりも大切なものがあると思うと自分のことは少し無頓着になる」
→人のためにやると心が豊かになる。
→自分の状況、人間関係がどうでもよくなる。
→明日死ななければならないなら死にます
☆「どんなことでも褒める人」
→人を非難、評価してはいけない。
☆「譲るだけ人に譲ると暇になる」
→その学びをがん哲学外来でやる
☆「多様性の統一」
→多様性でありながら統一
→臓器・組織は約200種類ぐらいある。国の数と同じ。
「胃」や「心臓」などの違いは、個性(役割)。
☆「生命現象がら具象的に学ぶ。」
→健康な時には何も言わない。健康な時にごちゃごちゃいうと「余計なお節介」。
→その人の使命が分からなくても、人が痛んだ時、悩んだ時にいたわる(寄り添う)。
→熱が出たり、どこかが痛くなったりしたら体全体がいたわるのは生命現象。
その時に「お前は何をやってるんだ?怠けてるのか?」とは言わない。
→その人の存在だけは認め、その人が問題になったらいたわる。
それぞれに樋野先生を通して豊かな光を頂き、慰められ、希望を見いだし、ひとすじに最後の一息まで生きて行く勇気を与えられたと思います。大いなる方に、生かされている喜び、使命(使うための命)一筋に生きて行けますように
このカフェが、各自の使命の発見となりますように。また、今日も樋野先生が語られていたように、自分のために生きることを超えて誰かのために生きる使命を全うできるように祈りつつ来月の再会を楽しみにしております。
どうですか?すごいですね!
毎回東西南北遠近から多くの方が参加してくださいます。それぞれに、他の場所では言えないような深い悲しみ、大きな痛みの中から、このカフェに来られ、問題が解決はしなくても解消され・・・いつの間にか、カフェの実践の後半にもなれば微笑むことができるように☆悩みや悲しみがあったからこそメディカル・カフェを訪れ、良き出会いを通して毎回ドラマが繰り広げられています。言葉の処方箋を頂き、自分自身の存在、お互いの存在の尊さを更に知ることができますように・・・。来月も再会できるのを楽しみにしています。
次回は「2月7日(木)13時半~16時」です。
もちろん、樋野先生の言葉の処方箋も沢山処方して頂けます☆
是非ご家族。ご友人をお誘い下さい。
初めて参加されるご近所の方や他府県からの方も毎回複数組おられます。
是非、お気軽にいらしてください☆
さて、2019年の今後の詳しい日程はこちらをご覧ください。
なお、3月と4月の予定が変更になりました!
3月14日(木)13:30~16:00
4月18日(木)13:30~16:00ですのでお間違えなく!
※個人面談は、毎回3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。
※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。
※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。
なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。
さて、樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!
樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!
様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
先生が、よく言われる言葉に「人生の3大邂逅」があります。その中の一つ、「よき読書」です!
「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」などが中国語に翻訳されています。
韓国語版も販売されていますが、題名が「偉大なるお節介」となっていますのでご注意ください。
とにかくすごいです!次から次に毎月のように著書が出ています!
どなた様も、お気軽におらしてください☆
がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆
※2019年の予定は こちら
※淀橋教会への行き方は こちら
さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。
現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!