アガペーCGN第76次:5月29日(日)~6月2日(木) 岩手県大槌町、陸前高田市 宮城県石巻市
今回は6回目の「和太鼓 三宝会」による「12ヶ所での公演+α」と「お茶っこ」と「各所訪問」で岩手県と宮城県を巡演してきました。結果的には18回の和太鼓の公演となり、各所で身に余る大歓迎を受けました。プロではなく、運転手の二人が「呼び太鼓」のつもりで太鼓を叩くとドンドン人が増えてきます・・・そしてプロたちが登場すると、あっという間に老若男女に取り囲まれ熱演☆そして、「ありがとうございました!」と挨拶すると、必ず「もう終わり?今来たのに~」と言う方が各所で・・・一公演一公演、奏者とアイコンタクトで相談し、可能な限りご期待に応えられるように精一杯隊員一同アンコールの声に応えさせて頂きました。何か良きものに一生懸命に打ち込んでいる姿は実に感動します!あちこちで再会を喜び合い、また新しい出会いに共に感謝し合いました!
今回もアガペーCGNのモットーに沿った、小さいけれども「小回りの利く」「心と心がつながる」「地域に根差した」活動ができたと思います。
昼食と夕食を車中で食べながら、一路、陸前高田市へ!アガペーCGN第1次より何度も訪問もさせて頂いてきた、ある小さな集落を訪問。夜19時には既に多くの人たちが待ち構えて下さりビックリしました。ほぼ全ての家から出て来てくださったとのことでした。最近は大槌町をメインに活動していましたで、「会えた~☆」と久しぶりの再会を喜び合ったり、一方で、避難していた方が戻ってこられたり、最近引っ越して来られた方とお話がはずんだり・・・感謝でした。和太鼓の演奏が始まると、皆さん、かぶりつきでご覧くださり、拍手喝さい・・・アンコールが確か7回ほどあったような気がします。地元の方々にもご参加頂き、楽しいひと時となったようです。「40年以上ぶりに叩いた」とか「締め(太鼓)がかっこ良かった。もう一度聞きたい」「良かった~」「また来てね~」「面白かった~すごいね~」「まんず感動した」・・・などの感想が次々と述べられました。「震災支援のお礼に」っと手作りのコースターを頂きました☆
<5月30日(月)> 4公演
6時半朝食、7時半出発で、まずは大船渡魚市場を見学してから大槌入りし、まずは旅館の女将とお母さんにご挨拶☆
10時にA地区でラジオ体操を一緒にやり、その後45分間の公演 & 1時間のお茶っこ。お茶っこタイムにも、「締め太鼓」と「ひょっとこ」のアンコールがあり、この地域の震災前の祭りの話、『今年はそろそろ祭りも復興してくるかな?』などの話題に花が咲きました。
午後は、お母さんとこで30分のランチタイム(皿洗い込)☆いつもながら絶品でした!
17時半~D商店で45分の公演。6時間ほど前に依頼を受け、告知も全くのゼロでしたが、なんと常に50名程の方が来て下さいました☆あっという間に周りは暗くなりましたが、「太鼓の音が聞こえたから来ました~」とドンドン人がやってきました。そして、宿にて夕食。愛情と栄養満点です!(もちろん経費以上は自己負担で、食べる復興☆泊まる復興でした☆)
天に逝かれた「お父さん」にもご挨拶できて良かったです。「お母さん」とゆっくりお話できて良かったです。
<5月31日(火)> 5公演
8時半~E旅館前で、『女将と大将のためにだけでも』と思った演奏でしたが、お客さんも10名以上、近所の方も10名以上、個々人のベランダからも10名程・・・思い思いの場所で楽しんで頂けました。告知はゼロでしたが、運転手の隊員が、ド~ン、ド~ンと太鼓を叩くだけであちこちから人が集まってこられました。
10時10分からF幼稚園で太鼓体験コーナー。10時半~45分の公演でした。
保護者の方々も子どもたちも大喜びでした☆
そしてお昼は、やはりお母さんの所で皿洗い込25分間。
がっつり、体によい物を食べるにはお母さんのとこです。
いつもありがとうございます!おにぎり最高です!
12時半にG高齢者グループホームに到着すると、なんと、既にほぼ全員がスタンバイして待って下さっていました!「太鼓の音が聞こえてきた。もう近くまで来てるはずだ」と朝からお待ちくださっていたようです・・・この地域からずいぶん離れた場所で公演していたのですが、心の耳にはしっかりと届いたのでしょう☆皆さんの期待感がものすごかったです。予定通り40分~開始し、30分の公演となりました。「皆すごく良い表情でした。いつもは『難しい顔』をされている方も、すごく柔和な顔をしておられました。久しぶりにHさんたちの満面の笑みを見ました。本当にありがとうございます。」と代表の方からお言葉を頂き、感謝でした。
14時~I高齢者ディサービスで公演。近所の方も来て下さいました。職員さんも自主的に変装して一緒になって踊ってくださりすごく面白かったです。いつもは、杖なしで立ち上がるのが難しい方も、奏者がお一人お一人に挨拶に行くと、自分の前に奏者が来た時に、自ら自力でスクッと立って、ハグされていたお姿に一同驚きました。涙を流して喜んで下さる方もおられ、ものすごい声援で、逆に隊員達が励まされました。
16時~J地区で和太鼓体験コーナー。小学生が次々にやってきて、夢中になっていました。後で地区の代表の方たちから話を聞くと、彼らは、太鼓教室を月に数回してるけど、津波をかぶった太鼓なので、「ドス」「ドス」としかならないそうです・・・手ごたえも悪く・・・だから天に響く音を奏でることができる目の前の太鼓に夢中になったようでした。16時半の公演は50分ほどになりました。終わってからも小学生たちがしきりに太鼓を叩いていましたので、この地域の祭りの曲を教えて頂きました。そして、かわいい子ども達の方から照れながら「写真撮ってほしい♡」と言ってくれたのでイケメン奏者とバッチリツーショット写真も撮っちゃいました。男の子たちもお兄さんたちが大好きになり、長い時間遊んでもらっていました。「明日学校休んで、弟子入りする。お兄ちゃんについていく。お父さんに話して!」と頼まれ、隊員の一人は笑顔でその子のお父さんに事情を説明すると、「そうですか。わかりました。ありがとうございます。」と応えて下さいました。
18時半には隊員の2人が、アガペー農園の代表の方と一緒に、先月アガペーCGN第75次が植えたじゃがいも畑と、もう一つの畑に生育状態を見に行きました。じゃがいもの成長に感動しました。7月末に皆で収穫をして、仮設の方々に収穫祭をして振る舞うようです。
その後、一件訪問。多忙のKさんにも会えました。お元気そうでした。
宿で絶品の数々の夕食を食べている途中から大雨と時折の雷・・・。本当は午後からほぼ完全な雨の予報でしたが、一滴も雨にうたれることなく本当に守られました!感謝!「さすが、海を分けた神だけあるなあ」とか「神すごいなあ」とか「『祈り』って聞かれるんですね」とか「アガペーさんたちは、日頃の行いがよっぽど良いんだなあ」とビックリして頂けました☆確かにただただ恵みでした!
それにしても、女将の手作り「おおづち サケ餃子」作りたては絶品中の絶品でした!全てが美味しく、素材を生かした数々の夕食と朝食で活力を得て、毎日送り出されていました。感謝!
<6月1日(水)> 4公演
4日目の6月1日、隊員の一人は連日3時半頃目が覚め(漁が気になり)港へ・・・。この日も4公演となりました。
まずは、E旅館前で20分。
『忙しくて見に行きたくても見に行くことのできない女将と大将の為だけでも・・・』と毎回願いつつ、いつもどこともなくあちこちから人が集まってくださいます。全く告知していないのですが、太鼓は人と人をつなぐのですね。
あちこちから人が集まり、女将のリクエストである「獅子」と「ひょっとこ」をメインにした演奏をさせて頂きました。
10時~L高齢者施設での50分の公演にはM保育園、Nディサービスからも参加者があり、体調がすぐれず施設の中から見聞きして下さっていた方も多数おられ150名以上の方々(200名?ほど)と楽しむことができました。海の見える高台の施設。最後にはこの地区オリジナルの祭りの曲を90代の大先輩の太鼓と歌で、皆さんと一緒に踊りました☆満面の笑みで室内から窓越しに踊ってくださる「お母さん」も複数おられました!楽しかったです!
13:00~O障がい者施設で50分の公演でしたが、なんとP高齢者施設からも情報を聞きつけて合流☆うれしいドッキリでした☆O施設は、毎回毎回「和太鼓のいつですか?」「す~さんに会いたい☆」「ゆいとくん、元気かなあ?」と声をかけられます。「東京まで付いていきます。来月、アガペーさんと戻ってきます。それまでショートスティしてきます☆」と言って下さるファンの方も3名おられました。
この後は、大槌町から石巻市の牡鹿半島まで188kmの移動でしたが一番の難所でした。途中、全壊したのち、再建された気仙沼の教会を訪問しました。
その後は、ひたすらQ集会場を目指しました。予想に反して、現地のR先生による18時からの焼肉を振る舞って下さっている時に余裕で到着・・・感謝でした!19時から予定通り50分の公演を開始できました。集会場に入りきれずに廊下まではみ出して聴き入ってくださっていました。厨房付近も足の踏み場もないぐらいの大賑わいでした。R先生や地元の方々の太鼓に合わせて踊る場面もあり、大賑わいでした。
ハモ(アナゴ)の干物をカットし、お湯につけて塩抜きした物をご飯にかけて食べると激ウマでした!
21時半近くのS民宿へ。
<6月2日(木)> 4公演
予定は完全に未定でしたが、結果的に4公演となりました。
まずは、2人の隊員が1時間半、女将の家族がやっておられる「牡蠣の養殖の手伝い」をさせて頂きました☆
その後、『宿の女将さんのために』と思ったら「私も聞きたいけど、90歳の母と父に聞かせたい。一人で聞くのはもったいない。」とのことで、1公演目は、宿ではなく、海の近くの実家で演奏することになりました。お仕事されている方たちも、休憩時間に合わせたので楽しんで下さいました☆そして・・・近所の方も音を聞いて駆けつけて来てくださいました☆
次に、石巻で多数の犠牲者を出してしまったT小学校で遺族会の方の立会いの下、許可を頂き、鎮魂の演奏をさせて頂きました。この学校でも太鼓をされていたとのことでした。
その後、T中学校でも演奏してほしいと遺族会の方から申し出があり、学校跡に向かいました。何とも言えない思いでいっぱいでした。
遺族の方が「子どもはここの中学校に通うはずだったんですよ・・・この場所に私は毎日来てます・・・」・・・。色々な話をして下さいました。
そして、もう一公演。
それにしても、実力以上によく頑張りました☆自分へのご褒美☆経費から溢れた分は喜んで自腹!「牛タン」も食べました!美味しかったです!食べる復興支援です。この5日間、地元の海の幸、川の幸、山の幸も満喫しました☆普段食べてたウニ、ホヤ、ワカメ、ホタテ・・・は一体何だったんでしょうか?全く味も、色も、食感も違いました(笑)。
東京には20時15分に到着。約1400Kmの巡演でした。応援ありがとうございました。
どこの会場も人とJOYで満ち溢れ、「ありがとうございました」とお礼を言っても「アンコール」の嵐☆しかも、どこの会場も名残惜しそうに誰も立とうとされません。太鼓に合わせて一緒に踊ってくださる方々や、普段はあんまり見かけない最高の笑顔を見せて下さる方たちや、始まるだいぶ前から「太鼓の音が聞こえてきた。もう近くまで来てるはずだ」と椅子を出して待ち構えて下さっていた人たち・・・「午後は雨だから室内の準備で良いですよね?」と朝一番から確認の電話を下さった職員さん・・・町を歩いていたら「明日ですよね!皆、楽しみにしていますよ!」と向こうから見つけて走り寄ってきて声をかけて下さった方々・・・「次はどこですか?」「今度からは全部の予定を教えて下さい。追いかけますから!」と申し出て下さる方々・・・期待度がビシバシ伝わってきました☆こちらが忘れていると・・・皆さんの方から「是非、獅子にかんでほしい」とのリクエストも頂き、奏者たちも満面の笑顔☆参加者にとっても全ての出会えた人々にとってかけがえのない素晴らしい時になったようです。
大きなことはできませんし、月に一度5日間の派遣では大海の一滴のようなものです。しかし、確実に心と心がつながり、離れていてもお互いを思い合い、再会を楽しみに「与えられた今日を精一杯生きる」心がそれぞれに与えられていることが感謝です。もともと数少なく東北にいたボランティアたちですが、熊本震災以降、「気がついたら皆一斉にいなくなった」との地元の人たちの声でした。そんな中、「アガペーさんの顔を見るだけで安心する」「忘れないでほしい」「熊本も大変だし、助けに行ってください。おらたちも募金とかできる支援をします。でも、おらたちのことも思い出してください。頑張って生きるから。そのうち、会いに来てください。楽しみに待っています。その時には、おいしい魚ごちそうするから~」などの声をたくさん頂いてきました。
続くアガペーCGN第77次にバトンを渡します。
熊本震災のことも祈りつつ・・・