第64回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」

  今回のカフェは秋晴れ(10月10日)。でも、外を見ているだけではわからないのですが、巨大で強い台風は確実に近づいています(12日到着)。人生にも近づく暗雲に気づかないこともあるかもしれません・・・。人生にも同じようなことがあるような気がしますが、このようなカフェが「良き出会い」「良き憩い」となり、「良き思い出づくり」となれば良いなと願いつつ準備させて頂きました。中には、スタッフではないけど、「今回のカフェにはどうしても参加できないけど、準備を手伝います」と言って、時折参加して下さる方が、ギリギリまでお茶の用意をして下さった姿に感動しました。空っぽの器を用意して、喜んで小さなことに大きな愛をこめる実践を拝見させて頂きました☆


まずは、皆さんとそれぞれに思いを込めて「365日の紙飛行機」を大熱唱でした。

 

 

樋野先生の前半の講話です。

 

☆「先憂後楽」
 →医者や情報は大げさに言うことが多い。
 →まず、大げさに憂いて、後で「良かったね」
 →責任者が分かる

 


☆「先楽後憂」
 →初めに「良い」と言って、後で「悩む(憂う)」
 →初めは「良い」と言っても、みんな逃げていく。(責任をとらない)

 

 


☆「10月15日は新渡戸稲造の死んだ日」

 


☆「河井道(新渡戸稲造の愛弟子)が造った恵泉女学園」 
 →米国から帰る時に「学校をつくりたい」と思ったが資金がなかった。
  新渡戸はもう少し待つように言ったが、河井道は学校を作ろうとした。
  その時、新渡戸は陰で東京都に「何かがあったら私が最後に責任をとる」と言った。
  だから東京都は認めた。
 →責任をとる時に逃げるのではなく、「責任をとるのは私」という人物になる。
  何でもできるようになる。

 

 


☆「クルーズでメディカル・カフェ」  横浜港→釜山港→長崎港→横浜港 6日間の旅
 →船上で2回のがん哲学の講演
  「個性を引き出す」
  「楕円形の心」
 →映画「言葉の処方箋」も上映
 →2700人乗船  船の全長290m 海が荒れていても揺れない
 →車椅子の老人とがん患者も多かった。家族が一緒に乗船。
  「歳をとっても進むべき道はある」
 →「人生思い出づくり」
 →海の色が違う
 →1人ぼーっと海を見ると良い。

 

☆「国には2つのタイプがある」
 →国民を聞く国と、国民が何と言おうと関係ない国に分かれる。

 


☆「冗談ぽいことを本気でやると良い」 
 →70%のカロリー制限 1日食抜きなど

 


☆「良き思い出」
 →原千晶さんと樋野先生が講演

 


☆「大清水トンネル」 
 →約22km
 →清水トンネルを出て・・・「雪国」川端康成
  考えながら旅をすると良い

 


☆「どこかに行くとき、後で誰かに一言何か言える思い出づくり」
 →丁寧な観察が必要(景色を見る、人との出会い)
  「森を見て木の皮まで見る」人になる
 →1人でいたとしても時間は過ぎていく

 

 

☆「夢は自分で追いかけていくと逃げる」
 →夢は継続的に持ち続けると、向こうから近づいてくる
 →実現するかしないかに関係なく、夢は持ち続けるといつか近づいてくる。

 

☆「来た時の顔と帰る時の顔が変わると良いね」
 →言葉の処方箋

 


☆『[日めくり] 〜 人生を変える 言葉の処方箋 〜』10月末 出版予定

 

その後、個人面談(2人)&テーブルトークタイムでした。感想を聞いてみました。

 

☆「私の達のテーブルでは、心について話がもりあがりました」

 

☆「初めて来ました。来て良かったです!」  数名

 

☆「病気の話や、カフェとの出会いとかでもりあがりました。たわいもない話から深い話まで様々でしたが、心がほぐれて良かったです。楽しかったです。」

 

☆「一人で悩みながら過ごすのではなく、お茶を飲みながら、他の人と楽しく過ごすことができて良かったです。」

 

☆「面談をして頂きました。日頃、よく聞く樋野語録でしたが、私の悩みに対して、語ってくださると、『なるほど!そこでそうつながるか』と感動しました。言葉の処方箋の奥深さと、何回聞いてもまだまだ言葉の理解が浅すぎることを知りました。『日々勉強ですね!』(樋野先生の口調風)」

 

☆「『生きること』や『死ぬこと』について語り合いました。普段こんな話はなかなかできないので、貴重な場だと思います。」

 

☆「樋野先生のおっしゃる『最期の5年がわからないなあ』と盛り上がりました」

 

☆「様々なことを何でも話せてよかったです」

 

☆「面接して頂けて良かったです!悩みが解消しました!」

 

☆「『夢を持ち続けるといつか近づく』という話が『本当にそうだなあ』と思いました」

 

☆「分かち合うことが沢山ありました」

 

 

 

その後、樋野先生の後半の講話ですが、まずは、参加者からの3つの質問に丁寧に的確にわかりやすく答え下さいました!

 

【質問➀】
☆「先憂後憂」のことが多いのですが、「先憂後楽」にするためにはどうすれば良いのでしょうか?
 →同じ境遇でも、人間は二つに分かれる。別の道。
  同じ病気でも、ある人は悩み苦しみ、ある人は生きる喜びがある。
  この違いはどこから来るのか?
 →人間には、自由意思が与えられている。
 →正しいことがあっても、選ぶのは自分。
 →「人生邂逅の三大法則」 
  「良き先生、良き友、良き読書に出会う」
 →「何かが起こった時にどう対応するか」が「学び」
  「なぜ?(Why?)」は問えない。
        「どのように対応するか?(How?)」は自由意思。

 


【質問②】
☆夢を追いかけなくても、夢をもつことが大切だと分かっていても、歳をとっても、病気になってもどうやったら夢をもてるのか
 →夢(ビジョン)は、自分が生きている時に実現すること、死んでから実現することがある。
 →本物の人間は、自分が死んでから実現することを語っている。
  勝海舟は「百年後に一人でも自分を思い出してくれたら良い」と言っている。
  ※生きている間に認めてもらおうとしたら大変。
  ※「自分のことに無頓着になる」
 →内村鑑三 「人生の目的は品性(性格)の完成」
 →名詞は変えられない。形容詞は自由意思。
     「良い個性」か「悪い個性」か選ぶのは自由意思。
  「個性」は変えられないが、「良い個性」にすることはできる。
 →「良いお節介(偉大なるお節介)」と「悪いお節介(余計なお節介)」を選ぶのは自由意思
  偉大なるお節介は、相手の気持ちに共感して、自分の気持ちで接しない。
  余計なお節介は、憐れみと同情で接すると相手が嫌になる。
  相手が嫌にならない「良い顔つき」になる。
  顔は変えられないが、良い顔つき(人が慰められる)か、悪い顔(人が嫌になる)かは自由意思。
 →相手が『一生懸命生きている』と思う姿を見ると慰められる。
  チャウチャウ犬。
  「すがすがしい胆力」 
  「自由にして、勇気ある行動」
 →希望を持っている人を誰が病人と言うか!
  「病気であっても病人でない」
   病気は誰にでも起こる。病人は自分で思うこと。
 →「がん哲学」で学ぶ。

 

【質問③】
☆「幸せな親子関係の秘訣」
 →日本の親子関係は大変。
  冷たい親族に悩み、温かい他人を求めている人が多い。
  会社の人間関係は、教育や社会によって変わるが、家族の人間関係の悩みは変わらない。
  家と外で性格が違う人が多い。「看板かじり」で偉いと思ってる・・
 →看板がなくても「変わらない人間」にならないと。
 →大企業の社長が、がんになるともろいことが多い。
  農夫は、がんになっても強いことが多い。
 →「苦難は忍耐をうみ、忍耐は練達を、練達は希望を生む」
  「本当の希望」は「苦しみ」を通してからしか生まれない。
 →治らなくても支え合う市民の力は大きい
 →長期間の入院はできないので、家に帰らなければいけないけど、家族の人間関係で悩み・・・他の病院を探さないといけないが、難しい・・・「メディカル・ビレッジ」。
 

 

☆「メディカル・ビレッジ」
 →窓を定期的に開けないと家が滅びる。
 →誰か 1人か2人は、空き家を使ってほしいという人がいる!
 →自分が生まれた故郷ではない田舎。
  自分のことを知らない村。
 →1人の人間を癒すためには1つの村が必要。
 →家族では無理。子どもは自分の所有物ではない。自己放棄。

 


☆「メディカル・ビレッジ街道」
 →がん患者などが散歩できる街道。
 →1つの町から次の町に行く道

 

どうですか?すごいですね!

 

「いかに良き選択をするのか」「死んでも夢は実現する」「家族を超えた温かい関係の重要さ」・・・メディカル・カフェのビジョンを与えて下さった。

 

今日もすばらしい言葉の処方箋を下さり、生きる望みと力をありがとうございます。「良き思い出づくり」を与えて頂き、「良き選択をしていく自由意思が与えられている」ことを教えて頂き感謝でした!尊い個性を、尊い未来を見つめつつ、ここから歩み続けて行きたいですね☆来月も、「底の抜けない空っぽの器」を用意させて頂きますからどなた様もお気軽にどうぞ。今回学んだことを、家族や友人たちと分かち合うことができますように・・・またの再会を楽しみにしております☆ますます各地のメディカル・カフェも用いられますように!

 

 

「言葉の処方箋」は、効果満点です!

 

次回は10月11日(金)13:30~16:00です!

当初の予定から変更になっていますのでご注意ください!

 

もちろん、樋野先生の言葉の処方箋も沢山処方して頂けます☆
是非ご家族。ご友人をお誘い下さい。
初めて参加されるご近所の方や他府県からの方も毎回複数組おられます。
是非、お気軽にいらしてください☆

2019年の今後の詳しい日程はこちらをご覧ください。

 

 

 

※個人面談は、毎回3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。

※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。

※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。

なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。

 

 

 

さて、樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!

樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!

様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
先生が、よく言われる言葉に「人生の3大邂逅」があります。その中の一つ、「よき読書」です!

 いい覚悟で生きるがん哲学外来から広がる言葉の処方箋  明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

見上げれば、必ずどこかに青空が  がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

あなたはそこにいるだけで価値ある存在   がん哲学外来で処方箋を カフェと出会った24人

こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」      51-SVP5R6aL._SX330_BO1,204,203,200_

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「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」などが中国語に翻訳されています。
韓国語版も販売されていますが、題名が「偉大なるお節介」となっていますのでご注意ください。

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とにかくすごいです!次から次に毎月のように著書が出ています!

どなた様も、お気軽におらしてください☆

がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆

 

※2019年の予定は こちら

※淀橋教会への行き方は こちら

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さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。

現在約150カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!