第47回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」

真夏日が続いたかと思ったら、ここ数日は冬に戻ったかのような寒さ・・・しかも、今日は「雨は降らない」という天気予報が大外れで、朝からの長雨と、まさかの雷。そんな中でも、がん患者さんや、そのご家族、ご友人たちが沢山参加してくださいました。

今日しか聞けない話があり、今日しか会えない人がおり、今日も素敵な出会いと気づきの時となるように祈りつつスタート。

まずは、樋野先生の愛唱歌でもある一つ「365日の紙飛行機」を皆さんと大熱唱。
どんな紙飛行機でも空気に身を任せたら飛んでいくんですね。
人と距離を比べることなく、どこをどのように飛んでいるのか、それ自体が尊いんですね。

 

  

 

さて、早速、樋野先生の「言葉の処方箋」前半をご紹介します。

☆「47回目すごいね」

 

☆「30年ぶりのカラオケ」
 →2つのカフェ合同のカラオケ
 →一番初めは皆で「365日の紙飛行機」

 

☆「船上でメディカルカフェ〜樋野先生とクルージング」
 →4月28日~5月2日
 →横浜港発、釜山港経由、神戸港着の船のなかで2回の講演
  「人生のピンチヒッター」「空っぽの器」
  知らない人も沢山来てくれた
 →船自体は2700人乗り、全長300m。
 →揺れないので、船に乗ってるのが分からないぐらい。
 →「デッキから全てを忘れて大海を見るのも良いね」

 

☆「サンデー毎日に2ページにわたって掲載」
 →がん哲学外来 言葉の処方箋 樋野興夫
 

☆「日経デュアルDUAL」
 →キャンサーペアレンツ(代表:西口洋平さん)と樋野先生の対談。
 →キャンサーペアレンツとは、子どもを持つがん患者のためのコミュニティ。
  インターネット上のグループで、今、全国に会員が1600人。

 

☆「『クオリティ・オブ・デス』から良い人生を考える」
 →「利己的でハッピーな人よりも、利他的でジョイフルな人の方が人生は輝く」
 →「自分のために追求する表面的な幸せではなく、人のために生きることで内側から
   湧き上がる喜びこそが、人生を輝かせる」

 

☆「ハッピーとジョイフルは違う」
 →ハッピーは外面的。いつでも失望に終わる
 →ジョイフルは心から溢れるもの
 

☆「ジョイフル」
 →「人生から期待されている」と考える
 →「どんな人にも存在自体に価値がある」
 →部屋に閉じこもっていても、末期がんでベットで寝たきりでもジョイフルの人はいる。
 →病気になってハッピーな人はいないが、病気になってジョイフルな人はいる。
 →自分の人生を人にプレゼントする

 

☆「WHY(なぜ)ではなく、HOW(どのように)」
 →「WHY(なぜ)」と「HOW(どのように)」は違いを知る。
 →何かが起こった時に、どう対応するかが大切。

 

☆「同じような言葉で同じような意味の物の違いを知る」

 

☆「がん哲学外来10周年出版記念講演会」
 →5月31日19時~21時
 →東京都千代田区神田駿河台2-1 OCCビル
   出版記念講演「生きる力を引き出す寄り添い方」

 

☆「『寄り添う』と『支える』は、違う」
 →寄り添うは横から手を差しのべるだけ
 →支えるのは体重が重くて無理

 

☆「『顔つき』と『顔立ち』は違う」
 →「顔立ち」はもって生まれたものだから変えられない
 →「顔つき」は自分の責任で一夜にして帰られる。
 →「悲しい顔」「うれしい顔」「怒った顔」は自由意思

 

☆「『対話』と『会話』は違う」
 →会話は言葉と言葉で、人を傷つけることもある
 →対話は心と心だから、話さなくてもできる。

 

☆「似たような意味の違いを明確にする」
 →苦しい不条理の世界に生きていても時間の持ち方が変わってくる
 →自分で考える力が出て来て対応の仕方が変わる

 

☆「訳が分からない所に行く訓練」
 →雨が降ったウィークディに来て・・・訳が分からないが、
  訳が分からないのが良い。
 →訳が分からないときに何かが与えられる
 →自分の期待していくところにはたいしたものは与えられない。
 →自分の意思でやっている間はたいしたものは得れない。
 →自分の意思を超えて、背中から後ろを押されている感じになる必要がある。

 

☆「人生いばらの道、されど宴会」
 →本物はどこに存在するかわからない
 →無邪気に喜んで小さなことに大きな愛を込めてやってると「良き出会い」が与えられる。 役割・使命

 

☆「困った時にいたわるのが生命現象」
 →1個の受精卵から始まり、200種類の組織・臓器(世界の国の数)
 →何か起こったら(熱が出たら)、体全体が苦しみ、いたわる。
 →相手が健康で華やいだ時に言うとだめ。
 →人に嫉妬したり、恨んだりするのは生命現象ではない。
 →生命現象から具象的に語る
 →相手が健康で順調な時にはほっとけばいい

 

☆「すべての始まりは人材」
 →一人の人間で世界を動かせる

 

☆「目的は高い理想に置き、到達する道は臨機応変にとるべし。
最も必要なことは常に志を忘れないように、心にかけて記憶することである」
   By 新渡戸稲造

 

☆「歳をとってからは、ノートに書いて本を読むと良い」
 →記憶に留まる(言葉の処方箋)
 →ポケットに入る小さなノートに書いく

 

☆「わたしの人生は、ちびた鉛筆」 by マザーテレサ
 

☆「言葉の処方箋は、無料、副作用ゼロ」

 

☆「軽井沢夏季学校100周年」
 →新渡戸稲造が、夏季学校初代校長 1918年~
 →7月16日(海の日)に軽井沢でシンポジウム
 →恵泉女学園 (創設者は新渡戸の教えを受けた)の理事長と、
  東京女子大(初代学長は新渡戸)の理事長と樋野先生で講演。
 →「21世紀の軽井沢夏季がん哲学学校〜内村鑑三と新渡戸稲造の楕円形の精神〜」

 

☆「人生は思い出づくり」

 

☆「これしかない」  by 夏目漱石
 →優先順位がつけられる
 →日間になる

 

☆「水流に逆らって泳ぐ」
 →水流と共に流れているのは死んだ魚
 →水流に逆らって泳ぐ魚は生きている魚。
 →それを見る人間が慰められる

 

  

 

 

あっという間に時が過ぎ、樋野先生の面談と各グループでの分かち合いの時(対話の訓練の場)。

 

どのようなお話をされたかを、いくつかの各テーブルに聞いてみました。

 

☆「あっという間に時がすぎました」

 

☆「普段お見かけしていたけどお話したことのない方とお話できてうれしかったです」

 

☆「先生の著書を知りあいにお貸しして、その友人が他の友人にお貸しされて・・・ことばの処方箋が広がってるのを『同じだなあ』と共感しあいました。」

 

☆「寄り添う」 どこまで優しい声をかけるか難しい

 

☆「このテーブルは全員ががん患者でした。」

 

☆「5年、10年などの期間が過ぎて、医療から手を離された時に、再発を恐れるがん患者は、どういうところに気を使って行けば良いのか教えて頂きたい。」

 

☆「自分はがんではないが、患者の家族として分かち合えたことが良かったです」

 

☆「自分が一番おしゃべりで皆さんに聞いて頂きました。皆さん、すみませんでした。そしてありがとうございました」   ※皆さん終始良い表情をされていました

 

 

そして、後半の樋野先生の講話(言葉の処方箋)です。

☆「がんの再発の不安~関係作り」
 →大学病院は治療がないと受け入れてくれない
 →地元の病院がケアすることになるが、各病院、開業医などの病院のレベル、関係・・・
 →日本は薬の投与が多い
 →大学病院と地域の病院を使い分けていくといい
 →基本はホームドクターで、何かあったら大学病院など(イギリス)
 →医療の共同体
 →病院の中に求めても与えられないものも多い(共同体だから)
 →本物は町の中に輝く。自分で探しに行く。

 

☆「日々の訓練」
 →普段から、かかりつけ病院などを探しておく
 →ネットの情報はたいしたことがない。70%の情報。
 →人には勧められるが、自分が困った時(病気など)になった時には何の優先順位もつけられない。
 →「これしかない」を健康な時から準備しておく。
  カフェなどで学びながら訓練しておく。
 →大学病院などは長い間入院できない。
  すぐに退院させられるが、家で家族関係で悩む人々が多い。
  再び病院に行きたいが病院に入れない。
 →家で30分間家族と同じ部屋(顔が見える距離)で相手も自分も不愉快にならない顔でおれる人は良い。悲壮感ではなく。

 

☆「一番困っている人が慰められる顔になる」
 →ボランティア
 →悲壮感がただよっているとだめ
 →末期のがん患者のそばで1時間ベッドのそばに居れない日本人が多い。
  多くは10~30分で帰る。
  本人も相手も「顔を見たくない」という人が多い。
 →3回続ければ訓練になる。意識的に見舞いに行く。教育。
  寝てる相手が嫌な顔をしてないかみる。

 

☆「心が豊かになると明日死んでも良いと思える」

 

☆「自分の命よりも大切なものがある」
 →自分のことを中心に考えると一喜一憂する。もろい。
 →自分のことをちょっと放棄するとどうでもよくなる
 →「本当に大切なもの」は少ない。
 「ほっとけ、気にするな」 
 →競争せずに、譲るだけ人に譲ると日間(暇)になる
  日間(暇)でないと尊厳に光がふれてない。
  光を反射してるだけ。
 →一見華やいだいだ生活しているようでも、夜家に帰ると寂しくなってる
 

 

☆「ダブルメイジャー(衣食住のための仕事と、生きがいのための活動)」
 →現職の時(若い)に生きがいを求める
 →ほとんどの悩みは、「本物の人」との対話で解消できる。
 →「偽物」はいっぱいある
 →「本物」に触れると解消する。

 

☆「解決と解消は違う」
 →矢内原忠雄が人生の悩みで苦痛になってる時に内村鑑三に相談に行った。 
  内村は「私もわからない」と言った。
  「あの内村先生も分からない」ということで矢内原の悩みが解消した。
 →問題は残ったままだが、優先順位が下がり問題を問わなくなった。
  他のことに使命感をもち、使命の優先順位があがる。
 →我々は何の解決もできないが、解消はできる。
 →馬を下りて同じ視線で花を見る。

 

☆「苦しみ→忍耐→良き品性→本当の希望の順番」
 →階段を上る如く順序がある
 →不連続の連続性
 →苦悩と忍耐を経験しないと本当の希望はない

 

☆「涙と共にパンを食べた者でないと人生の味は分からない」 by ゲーテ
 →涙、苦しみが悪いのではなく、それらを通して人生が磨かれる
 →「人生の目的は品性(キャラクター)の完成」 by 内村鑑三
 →自分に与えられた性格を「良い性格」にする
 →自分のプレゼントを人にあげる
 →自分が犠牲になっても心が豊かになる
 →明日死んでも良いと思える(自己放棄)
 →順番がある

 

☆「日本で最初のバス事故は新渡戸稲造」
 →岩手の県立病院に入院していた時に気づいたことを文章に書き始めた。

 

 

☆「日野原先生と穂高で人生を語った」
 →「今私があるのはよど号事件。
  59歳の時に、よど号事件で私の人生は終わった。
  残りの人生は人のためにやる」と決断した。
 →サリン事件の受け入れ病院となる

 

☆「不連続の連続性」
 →だらだら坂を上るのではなく、階段を上る如く。
 →身長が伸びた経験をする
 →「あの時(あの経験)があったから今の私がいます」という経験がない人が多い。
 →人生が豊かになる

 

 

涙をもっと味合わないといけないですね☆
命よりも大事なものを知り、交わりを訓練する中で良き出会いも与えられんですね。

楽しい時はアッという間に終わりますね!
今日も格調高い講話をありがとうございました。

皆さんはどの言葉の処方箋に励まされましたか?

次回は「6月4日(月)13時半~16時」です!
(当初は6月3日になっていましたが予定が変更されています!)

 

そして、7月1日(日)13:30~の満4周年にはプロの手品と腹話術のスペシャルタイムがあります!
是非ご家族。ご友人をお誘い下さい。

 

さて、2018年の今後の詳しい日程はこちらをご覧ください。

※個人面談は、毎回3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。

 

※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。

※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。 

 

なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。

 

 

 

さて、樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!

 

樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!

 

様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
先生が、よく言われる言葉に「人生の3大邂逅」があります。その中の一つ、「よき読書」です!

 いい覚悟で生きるがん哲学外来から広がる言葉の処方箋  明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

見上げれば、必ずどこかに青空が  がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

あなたはそこにいるだけで価値ある存在   がん哲学外来で処方箋を カフェと出会った24人

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※著書「がんに効く心の処方箋 一問一答」と「われ21世紀の新渡戸とならん」は、実は、最近の隠れた「メディカル・カフェ@よどばし」でのベストセラーです。他の本も人気があるのですが、ここ数ヶ月は一番人気です(笑)。

 

 

そして、なんと「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」が中国語に翻訳されました!
韓国語版も販売されていますが、題名が「偉大なるお節介」となっていますのでご注意ください。

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とにかくすごいです!次から次に毎月のように著書が出ています!

 

どなた様も、お気軽におらしてください☆

がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆


※2018年の予定は こちら

※淀橋教会への行き方は こちら

 

 

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さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。

現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!