第31回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」

2017年あけまして最初の「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」は、今回で31回目を迎えました。毎月継続して会がもてることを本当にうれしく思います。今月も超多忙(先生ご自身は「僕は暇だから」と素敵な笑顔と暇気な風貌でいつもおっしゃられます)の樋野興夫先生をお迎えすることができ感激でした。

参加者の中には、初めての方も沢山おられました。毎回大変なご事情の中で来られる方も多数おられますが、不思議なことにほとんどの方がお帰りの時には柔和な笑顔に変貌・・・☆今月も期待満載でスタートいたしました!

「人生いばらの道 されど宴会」
「解決はできなくても解消はできる」

少し前までは、ほぼ毎回継続してこられていた方の中で、今月は来られなかった方も複数居られます。病状の悪化、治療、病気を抱えての仕事、家庭の事情・・・本当は参加したくてしたくて仕方ないのに、どうしても参加できない人たちからも「ブログを楽しみにしています!生の樋野先生の笑顔を見たい~」などの声も複数頂いていますので、分かち合いさせて頂きます。今月も素敵な先生の笑顔と樋野語録で癒されてください☆

 

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まずは新年の挨拶
「新しい年ですね。あけましておめでとうございます」

☆「継続は大切。継続する人間は高尚」

☆「酉(とり)年・・・恩を返しましょう」
樋野先生が子ども頃、羽根を傷つけたカラスが家の庭に落ちてきたので、お母様がエサをあげて飼っていた。しばらくしたら羽根が丈夫になり、飛び去って行った。ところが1年後に庭の上を旋回して羽を庭のど真ん中に落とした。カラスでも人への恩を感じている。

☆「永遠のゼロ」の映画を見て
90歳を超えてるお母様が家を継いでいるが、母の兄弟は全員戦死。その中に一人特攻隊員がいた。母は戦時中神戸の工場で働いていた。茨木から兄が神戸に着陸し、兄弟と一晩一緒に過ごし、彼も空の上を旋回して飛び立っていった・・・しかし、飛行機が故障して鹿児島に不時着・・・その時におじいさんは島根に住んでたから、島根から鹿児島まで汽車に乗って会いに行き、彼と鹿児島で別れた・・・

☆「どんな境遇になっても恩を返す。自分が犠牲になっても心が豊かになる。」
 →自分のことがどうでもよくなる。
 →自分のことが無頓着になると良い。

☆「知らないうちに世界の人が気になっている」
 正月明けに韓国語と中国語の樋野先生の本が出版された。
 韓国でカフェを開きたい方もおられる。
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☆「淀橋効果」

☆元旦に「今年の夢は軽井沢がん哲学学校を開設することである」とブログに書いたら、瞬く間に開設。3月には信州大学の主催の「がん哲学外来」、7月には21世紀の『軽井沢夏季がん哲学学校「内村鑑三と新渡戸稲造の楕円形の精神」』シンポ開催になった。
 →軽井沢夏季がん哲学学校:1918年 新渡戸稲造が軽井沢で初代の校長
 →来年が100周年

☆「人は説得させるものではなく、気にさせるもの」
 →ちょっと『やりたい』というと、聞いている人がやる
 →いい加減でないことを示す

☆「夢、ビジョンは大切(持つべき)」

☆1月5日に出版された樋野先生の最新の著書「がんに効く心の処方箋一問一答」はアマゾンでも売り切れで大人気。

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☆「中学生3名が『がん哲学外来』を名古屋で開く」
 →いい加減だったら他の人はやらない
 →中学生から見てもいい加減でないと思った

☆「人間というのは、泣くにも、ほほえむにも、笑うにも、なげくにも、踊るにも・・・時がある。自分では『希望のない状況』だと思ったとしても、『人生の方から見たら期待されている存在』であるのを実感する深い学びの時が与えられていることに気づくときに、その人らしいものが発動する」

☆「全ての始まりは人材」
 →行動への意識の根源と原動力
 →走るべき行程と見据える勇気
 →高らかに理念を語る人物が必要

☆「自分の思いを超えて世の中は進むから、日々黙々とやるだけ」
 
☆「なくてならないものは多くない。なくていいものに縛られないように。」
 →ほとんど「ほっとけ」
 →人に譲るだけ譲る

☆「暇」
 →「暇ですか?」と言われると多くの人は嫌がる。
 →日+間  その人に太陽の光が射し込むのが「日間」
 →一見華やいだように見えても太陽の光が反射しているだけ

☆「日本人の特徴は、夕方の6時に無性に寂しくなること」
 →昼は華やいでいても
 →人との比較、看板かじりの人はそうなる傾向が多い。

☆「一人静かに1日1時間本を読む習慣が大切」
 →譲るだけ譲ったら暇になり、やるべきことが与えられる

☆樋野先生は病理学者・・・がん哲学外来で変えられた先生 
 →がん哲学外来をするまでは、顕微鏡でがん細胞を見るか病理解剖するか・・・
  あまり生きた患者さんを見たことなかった・・・
  がん哲学外来を開設し、がん患者と30〜60分間FACE TO FACEで話す中で・・・

☆「『がん哲外来』がいい加減でない」と分かると病院が気になる
 →医師の「対話学」の気づき、学びの時
 →患者と同じ目線になろうとする医師が増えてきている。
    →内容、医療、治療、診断も何も変わってないが、医師の対応が変わる。

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テーブルごとのカフェタイム&面談のひととき

今回も、素敵な出会いがあちこちであったようです。会うべきしてお会いできた人たち・・・涙あり、笑いあり、沈黙あり・・・充実した時をそれぞれに持てたそうです。

☆「初めて会った人なのに、前から知っていたような錯覚になりました。すごく安心できました」

☆「来るときは初めての場所だし、どうしようか迷いましたが、一歩踏み出して来て良かったです。足取りが軽くなりました。また来たいです。」

☆「結果が出ておらず今から治療をしていかなければならない方、治療中の方・・・環境、病、これからの課題も違い、お互いにもう会えないかもしないかもしれない中、『病はすぐに癒されないかもしれないけど、これからもお互いを思い合います。今日受けたぬくもり、感動を他の人に伝えていきます』と共に励まし合えて良かったです」

☆「映画「沈黙」について話を伺いました。『なぜ神は黙っているのか?』という主題だそうです。28年間かけて監督が映画を完成されたそうです」

 などの感想が聞かれました。

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そして、後半の樋野語録も格調高かったです!

☆「がんと認知症は逆相関する!?」   
 →80歳過ぎると2人に1人はがん。3人に1人は認知症。
 →アメリカのボストン約300症例とイタリア10万人から「がんと認知症は逆相関するのか?」の論文を発表。

☆「『認知症』と『がん』の双方を負ってる人も確率は低いがおられる」
 →いつがんになったか?いつ認知症になったか?によって受け止め方も違う。
 →がんになっても、知らない方も居られる。

☆「認知症のがん患者のほうが、他のがんの人よりも長生きする!?」
 →がん患者は悩みが多く、食欲もなく、鬱的になることが多い。
 →認知症の人は自分が『がん』と言われてもすぐに忘れる。食事する。
 →データはないが、ユーモラスで明るい感じ。

☆「1日1時間ぐらい深刻に悩んで(考えて)、後は忘れる。」
 →24時間ずっと悩んでいたら疲れる。
 →優先順位を下げるだけ。
 →何の解決もできないが解消はできる。悩みを問わなくなるのが解消。

☆1月15日 日比谷コンベンションホール 上野千鶴子さんと講演。
 NPO法人 人生まるごと支援 7周年シンポジウム
 「おひとりさま」を支えるチームケア  「人生まるごと協力隊」の実現に向けて
 日比谷コンベンションホール 14時~ 無料
 http://marugotosien.com/wp02/archives/4597

☆「天国カフェの7人の侍」 
 →勝海舟、新島襄、内村鑑三、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、吉田富三

☆「天国のカフェでお茶飲んで良いのか?肉を食べてもいいのか?」
 →黙示録19:18(聖書:新共同訳、口語訳、新改訳、NKJV、TEV)

☆「勝海舟から学ぶ。何かする時には準備して、実際にはユーモラスにやる」
 →「愛宕山のNHK放送博物館に勝海舟と西郷隆盛が見た江戸の絵がある」
 →勝海舟は、西郷隆盛を愛宕山(30m弱、東京23区で一番高い山)に連れて行って江戸を見せ会談した。何も言わずに西郷隆盛の心に打ち込んだ。翌日、西郷は江戸無血開城をした。
 →勝海舟は、それをする前に準備した。『新門辰五郎(火消、やくざ)』に、西郷隆盛が江戸を焼き払った時に備え、江戸市民のために新門辰五郎に船を用意させた。」
 →勝海舟の義理の娘クララは「クララの日記」で義理の父である勝海舟を褒めている。
 →勝海舟は差別せず皆を助けた。貧しい所に行ってモチ代を払って助けた。
 →『自分のことがどうでもよくなる』学び。

☆「人生、生命現象はバランスの上になりたっている」
 →交感神経 vs 副交感神経、がん遺伝子 vs がん抑制遺伝子のように
 →相異なる人間が共存することが大切
 →自分の好きな人間だけを集めると同心円。
  その時は良いと思っても3年ぐらいしたら「がん」になる。
 →嫌な人間でも存在だけは認める。
 →バランスの上に成り立つ。
 
☆「歯を食いしばって人を褒める」
 
☆「黙っていても、話していても苦痛にならない人間になることが大切」
 →その訓練のためにカフェに来る。良き思い出づくり。

☆「全てのことを忘れた後に残るのが教育」

☆「真実は誰の持ち物でもない。世界共通。」
 →自分が偉そうに言えば良い。

☆「ちょっとした出会い」
 19歳の時からそのような教育受けてきた樋野先生。人生の思い出
 予備校の英語の先生の東大法学部時代の先生が南原繁。 
 英語の話より、日本語で南原繁の話が多かったので南原繁の名前だけは覚えた樋野先生。
 19歳の時に南原繁の本を古本屋で全10巻を買った。

☆「今日学んだ事を自分がしゃべる」
 →無邪気に喜んでやる

☆「内村鑑三、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、・・・共通項は同じ、共通の本を暗記している」
 →それを覚えて話している。
 →偉そうに自分が語った如く言える人物になれ

☆「聞いたことは変えずに言われた通りにいう訓練」
 樋野先生は島根県の出雲市鵜峠(うど)で生まれ育った。
 現在57名の人口、空き家60%
 出雲弁は19歳で浪人時代京都に出た時に誰にも通じなかった・・・。
 でも、暗記した事をそのまま話すと通じた。
 →宿で夕食の時に、その日聞いたことをいつもそのまま偉そうに語っていた。
 →人前でやると覚える。

☆「聞いた話に付加をつけたらだめ」
 →アダムとエバはYesかNoで答えたら誘惑に負けなかった。
 →感動受けたことはそのまま語るといつの間にか鍛えられ、人前で話せるようになる。

☆「もしかしてこの時のためかも」

☆「『なぜ?』ではなく、『いかに?』生きるか(対応するか)」
 →Why(なぜ)?は人間には問えない。
 →How(どのように)?は研究でわかる。

 

 いかがでしたか?

ほのぼのした暇気な風貌でユーモラスに沢山のことに気づかせてくださる樋野先生、素敵ですね!

 

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今回は、「使命(使うための命)に新たに遣わされていくの歌」として「糸」を皆さんで歌いました。
今日の出会いがそれぞれにとって糸。良き思い出となり、いつか悲しんでる誰かを慰めるかもしれませんね☆

♪縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの傷をかばうかもしれない♪

 

すごいですね!カフェが終了しても、あちこちで話が続き・・・まだまだお話していたいようです☆

お一人お一人の心と体のすべての営みが支えられ喜びあふれ、次のカフェ、また、各地のカフェが良い場所、時を提供できますように・・・。

 

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次回は2月5日(日)13:30~16:00です。皆様のお越しをお待ち申し上げます☆

2017年もご多忙の樋野先生が毎月来て下さることになりました。まずは、上半期のみのチラシができましたのでご覧ください。

 

※個人面談も3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。

 ※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。

※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。

 

 

なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。

 

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樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!

樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!

 様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆

 いい覚悟で生きるがん哲学外来から広がる言葉の処方箋  明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

見上げれば、必ずどこかに青空が  がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

あなたはそこにいるだけで価値ある存在   がん哲学外来で処方箋を カフェと出会った24人

こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」      51-SVP5R6aL._SX330_BO1,204,203,200_

 

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そして、なんと「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」が中国語に翻訳されました!

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とにかくすごいです!次から次に著書が出ています!

 

どなた様も、お気軽におらしてください☆

がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆


※今後の予定は こちら

※淀橋教会への行き方は こちら

 

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さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。

現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!

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