第30回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」
今回は、初めての方も沢山おられ、満席でした!参加したい気持ちは山々でしたが、どうしても参加できなかった人たちのために今月もカフェの様子をお伝えいたします。
オープニングの歌は先月に引き続き大好評の「糸」でした。初めての方も涙ながらに歌っておられる姿もあちこちで・・・。
♪縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かの傷をかばうかもしれない♪
自分を温めるだけでなく、他の人も温め、他の人の傷を覆うことができるようなカフェになるように願いつつ、今月も「よどばしカフェ」が始まりました。
早速、樋野先生の前半の樋野語録のおすそ分けです。
☆「縦の糸はあなた 横の糸はわたし」
→横の糸だけだともろいし、縦の糸だけでもダメ。
→新渡戸は「内村鑑三は縦、自分は横」と言っている
→縦と横があったからあの当時の学生はバランスをとれた。
→縦だけでも、横だけでもダメ!
→性格の違うものが共存すると良い。
→同心円はがんになる。
→生命現象は楕円形。交感神経と副交感神経。
→相反するものが共存するときにバランスがとれる。
☆「最も大切なことはTo Do の前に、To Beであること」
→南原繁が第一高等学校の新渡戸稲造の授業で聞いた言葉。
→存在自体が重要。好き嫌いに関わらず存在を認める。
☆クリスマスに一番初めに良き訪れを体験したのは羊飼い
→社会から疎外された羊飼い
→無邪気な心で自分に与えられた勤めに満足している人に良き訪れが来る」
マルティン・ルター
→人と競争したり、うらんでいる人のうちに良き訪れは来ない。
☆小児がんの中学生が名古屋で「中学生がん哲学カフェ」開設。
→2月に医療者・市民とクラスメイトの協力
☆12月14日文京区「がん教育について考える」
☆25日 文京区 「がんと認知症は逆相関するか?」 アメリカ、イタリアの論文
☆「Quality of Death」クオリティ・オブ・デス
→「Quality of Life」クオリティ・オブ・ライフだけでなくクオリティof Death
→臨終の言葉をユーモラスに語る
カントの臨終の言葉「これで良い」
勝海舟の臨終の言葉「これでおしまい」
内村鑑三の娘ルツ子 「もういきます」
冗談ぽいことを本気で語る。
☆「劣化」
→初めはわからないが3年後に分かってくる
☆「全てに時がある」
→泣くのに時がある。微笑むときに時がある、笑うのに時がある、喜ぶのに時がある。
→厳しい現実
☆「自分では希望がない状況と思っても人生から見たら期待されている」
→自分で人生に期待すると落ち込む
→人生から期待されていることに気づくと、その人らしいものが発動する
→使命と役割はいかなる状況でも与えられる
☆「初めは苦しかったが、人のためにやる」 サマリアの女
☆「人は説得させるものではなく、気にさせるもの」
☆「がん患者のお見舞いや困ってる人に接する時に失敗しがちなパターン・・・」
→困った人に対して、初めは憐れみと同情で行くが、自分のアドバイスを相手が聞かないと、注意する。注意しても聞かなかったら怒る・・・。
→「あなたと会いたくない」「来てもらいたくない」と言われる・・・
→「メディカル・カフェ」は、同じテーブルで1時間お茶を飲んでお互いが苦痛でない人間になる訓練。黙っていても話していても苦痛にならない人間になる。家でも、沈黙の世界でも苦痛でなくなる
☆「歯を食いしばって人をほめる。」
→人は、評価したり、非難するものではない。
→存在そのものが重要。
☆「がんカフェ、訳が分からないのが良い」
→カフェの映画作成!?イメージが分かる。
☆「30年後のことを明日実現するかの如く語る人物になる」
→先見性、具眼の士
※そして、個人面談の時間!面談は別室で、他の方々は、同じテーブルになった方々との1時間の対話の時間です。
グループごとの分かち合いの時間も、和やかに過ぎて行きました。
各グループからの感想を以下に記載します。
☆「この日が待ち遠しかったです!手帳を何度も確認して体調を整えてきました」
☆「やぁ!」「どうも」「わぁ」・・・再会の声に聞いているスタッフ達が励まされました。
カフェでのみ会える仲間達。
☆「手帳には病院とカフェしか予定が書かれてないです(笑)。楽しみにしています!」
☆「初めての参加で初めは緊張しましたが、来て本当に良かったです。心が軽くなりました。」
☆「初めてきましたが、来て良かった(関西、海外からの方も含め複数)。すごく励まされました。」
☆「初めてのメンバーでしたが、どういうわけか皆さんの関心が食についてで、色々と話せて参考になりました。」
☆「このメンバーで話せてよかったです」
☆「来月も来たいです!」
そして、後半の樋野興夫語録です。相当格調高かったです!
☆「時が経つのが早い」
→同じものでも、気持ちの持ち方、考え方で感じ方が変わる。
☆「すべての始まりは人材」
☆「一人の人間で世界を動かせる。」
→一つの細胞を地球の大きさに例えると、一つの塩基が一人の人間の大きさ、染色体が国の大きさ、遺伝子が町の大きさになる。
→一個の塩基が異常になっても細胞は病気になる。一人の人間が地球をがん化させることもできる。
☆「冗談を本気で言う人物が必要」
☆「評価」
→新渡戸稲造の話を半分の人は「訳が分からない」、半分の人は「良いね」と言った。
→「良いね」と言ったのは南原繁と矢内原忠雄
→「訳が分からない」と言った人は歴史に残ってない。
→人間はネガティブなことを言うと人は去っていく。
→どんな境遇にもかかわらず、ポジティーブに考える人には人はやってくる。
☆「フェイスブック症候群」
→みんなに「良いね」と言ってもらえないと不安になる。
→アメリカで昨年ぐらいから広まっている。
→「良いね」と言われないと干されたと感じて鬱になっている。
☆「日本は劣化してきている」
→一喜一憂しないためには訳の分からないことをいう。
→訳の分からないことを言うと半分は無視されるが、半分は「良いね」と言ってくれる。
☆「100人中100人が全部だめというのはダメ」
→「いい加減」であってはダメ!
☆「嘘でないホラを吹く」
→嘘のホラはいっぱいある。
→嘘でないホラは胆力。新渡戸稲造、内村鑑三
→冗談か本気かわからない。
☆「軽井沢で3月にカフェ開設予定」 信州大学
→1918年軽井沢夏季学校初代校長は新渡戸稲造。
☆「砂浜で足元だけを見るのではなく、地平線を見る人物になれ!」
→「生きている間に実現しないようなことを、明日実現するかのように語る」ことが大切。
→そのように考えれると、悩みがどうでもよくなる
☆「どんな人間でも必ず死ぬ」
☆「105歳の日野原重明先生」
→「一度死んだ・・・残りの人生人のために!」
☆「自分以外の困った人に接すると自分に無頓着になる」
→無頓着なほどに大胆になる。
→自己放棄。
→与えられた人生。譲るだけ人に譲ると暇になる。
☆「給料もらって干されて暇になる」という価値観
→「病気であっても病人でない」社会
☆「日間」
→人間の尊厳に触れると、自分の人生の目的を考える 教育
☆「人生However(しかし)」
→「人生いばらの道、されど宴会」。
→過去のことを振り返ってもダメ。明日のことを思い煩ってもダメ。毎日毎日全力で尽くす。→今ここ(カフェ)にいることに全力を尽くす。
☆「習慣は3日やれば続く」
☆「カフェで慰められるかどうかはどうでもよい。カフェで過ごしたことが良き人生の思い出になり、人に対する接し方がどう変わるかが重要」
☆「良いことを聞いたら、付加をつけずに自分で言ったかのように話す」
→自分で勝手に変えて話さない。
→付加の言葉を付けたのがアダムとエバ。
→付加すると突け込まれる(突然変異)。
→イエスかノー。「もしかして」は、付加。
☆樋野先生の恩師は、南原繁が東大の総長時代の学生だった。いつもその恩師が、南原繁が「~と言った」と毎日言われるのを聞いて樋野先生も偉そうに言うようになったら、人前で話せるようになった。南原繁のいうことはいい加減でなかった。
☆「私がいい加減に見えますか?」
→教育基本法を作るときに南原は国会に呼ばれて答弁をした。議員が野次を飛ばしたとき、南原は「私がいい加減に見えますか?」と言ったら野次がやんだ・・・。弁解すると付け込まれる。教育。
☆人生開邂逅の3大法則。良い先生、良き友。良き読書
☆部屋に一人閉じこもって1時間真剣に考えると外に出られるようになる。
→多くの人は中途半端な悩みが多い。真剣に悩む。
☆樋野先生の育った環境
→57名の人口。60パーセントの空き家の村。
→小・中学校廃校。夏休みには静かに家の丘に登って人生を考えていた。
→無医村だったため樋野先生は3歳で医者になろうと決心。
暗闇のトンネルの中を母親におんぶされて隣村まで行ったことを未だに覚えている。
☆「病気は人生の夏休み」
→冬休みは雪が降るから外に出れない
→夏休みは、外に出て、何をしようか考えて行動する。
☆「もしかすると、この時のため」
→人間、何が良いか悪いかわからない
今月は樋野先生というクリスマスプレゼントに改めて一同感謝いたしました。
先生を通して、素敵なひと時を与えてくださり、心にもたましいの奥底にも、体の隅々まで染み渡るような慰めと、素晴らしい希望と、「人に与えることで自らが真に生きる」という真の道を与えてくださり感謝いたします。これから向かうクリスマスの時期、その恵みを深く体験する時でありますように!来年も楽しみです!
すごいですね!
お一人お一人の心と体のすべての営みが支えられ喜びあふれ、次のカフェ、また、各地のカフェが良い場所、時を提供できますように・・・。
次回は1月12日(木)13:30~16:00です。皆様のお越しをお待ち申し上げます☆
2017年もご多忙の樋野先生が毎月来て下さることになりました。まずは、上半期のみのチラシができましたのでご覧ください。
※個人面談も3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。
※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。
※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。
なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。
樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!
樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!
様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
どなた様も、お気軽におらしてください☆
がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆
※今後の予定は こちら
※淀橋教会への行き方は こちら
さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。
現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!