第56回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」
初来会の方5名を含め、予想以上の参加者を与えられ感謝でした!スタッフ達は、「空っぽの器」とお茶とお菓子を用意しながら、毎回、『今回はどのような人たちが参加して下さるかなあ♡』とワクワクしながら準備しています。
超ご多忙なのに暇気な風貌で私たちに「言葉の処方箋」を下さる樋野先生も、格調高い講話に加え、今回も4件の面談を受けて下さいました!
さて、今回も参加しても、参加することが出来なかった方たちも多数おられますので、今回の様子をご報告させて頂きます。
まずは、いつものように「365日の紙飛行機」を大熱唱してスタート。
2月4日は「世界がんの日」でした。立春(春の始まり)でもある良き時に、樋野先生のことが「日本農業新聞 2019年2月4日号」に掲載されていましたので、会の始めに司会者により拝読されました。その内容は https://www.agrinews.co.jp/p46630.html でもご覧いただけます。
そして、お待ちかねの樋野先生の講話(前半)でした。今回も、参加したくても参加できない人たちのために、ダイジェストをお分かちさせて頂きます。
☆「56回目すごいね!」
☆「365日の飛行機」
→「その距離を競うより どう飛んだか どこを飛んだのか
それが 一番大切なんだ」
→「人は思うよりも一人ぼっちじゃないんだ
すぐそばのやさしさに気づかずにいるだけ」
→毎回のように始めにこの歌を歌うことには意味がある。
→「寄り添う」とはこういうこと
☆「日本農業新聞にゲーテの言葉の引用」
☆「一日一言」 2月4日 by 新渡戸稲造
→『面の忿 {いかり} をたち、心の瞋 {いかり} をやめて 人のたがはんを 瞋 {いかる}ことなかれ、人みな各心に執する事あり。我が是は人の非。人の是は我が非、我もかならず聖にあらず。彼もかならずしも凡にあらず、共にこれ凡夫なり。是非の理たれか是れを定めん。』{新渡戸稲造『一日一言』二月五日付}
→聖徳太子17条憲法(1ヶ条)
人を怒ったり、非難してはいけない。
☆「日本の病理の特徴」 by長與又郎(ながよ またお)病理学者
→総合的共同研究
一ヶ所で解決できないときに 寄り添って解決
→一つの問題を多くの研究者が多方面を分担して総合的、共同研究に努めつつある。
→『日本の病理の特徴「総合的共同研究:一つの問題を 多くの研究者が 多方面を分担して 総合的共同研究に 努めつつある。 重大な問題に関して一教室、一研究所のみならず 全国の教室、研究所が 互いに連絡をとり 相寄り相助けて 問題の解決に努めつつあることは、我が病理学会の美風であります。 此の点は 誇りに足るところであります。」』(長與 又郎 1921年:日本病理学会総会会長の挨拶)
→樋野先生は2018年に長與又郎賞受賞
→自分だけでは解決できないことも、カフェに来ることで相寄り、相助けることで問題の解決に努める。
☆「訪れる人を温かく迎え入れる」~困った人にどうするか?
→勝海舟の奥さんタミが、クララ(『クララの日記を書いた』)に言ったこと。
→勝海舟の屋敷が赤坂にあった。その屋敷を宣教師に貸していた。その子たちは医者にもなったけど、娘にクララがいた。
クララが日本に住んでいた時に、お母さんが亡くなった。クララは悲しみに暮れた。その時にタミがクララに言った言葉。
『悲しい時には 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 仕合せな時には 一緒に笑いましょう。さあ勇気をお出しなさい、——これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外には 日がないと思って ただ毎日をお過ごしなさい』
→がん哲学外来の理念
☆「あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。」 Ⅰコリント10:13
→耐えられる範囲で試練を与えられる
→耐えられない苦しみは与えられない。
☆「どこから引用したのか覚える」
→短い言葉で暗記して人に言える言葉。
→言葉の処方箋
☆「順境も逆境もない」 by 新渡戸稲造
→「自分の存在について悩むな」 「存在自体に価値がある」
→人を非難したり、悪口を言ってはダメ
→世界中の人、一人ひとり違うが、存在自体に価値がある。個性。
☆「病気であっても病人でない社会をつくる」
→「病気もがんも個性」
☆「ほっとけ、気にするな」 トイレに貼っておくとよい
→自分のことに無頓着になる。
→自分のことを気にしている人が多い。
→譲るだけ譲る
→日間(ひま)になった時に本当の役割・使命が与えられる
→一見華やいだ生活をしていても、夜の18時に無性に寂しくなる生活をしている人が多い。
→人と比較・競争している間はたいしたことない。
☆「人間はダブル・メイジャーで生きる」
→「衣食住」と「生きがい」の柱を探しに行く
→本物は「ごみの中」に輝く
☆「夢をかなえて ドラエモン」
→「♪~ 迷わないで 靴を履いて 出かけよう
大丈夫さ ひとりじゃない 僕がいるから
キラキラ輝く 宝物探そうよ ~♪」
→靴を履いて外に出ましょう。誰かがいる。閉じこもっていたらダメ。
誰かが面倒を見てくれる。
→冗談ぽいが、暗記して為になる言葉がある。そういう歌を聞くのは良い。
→がん哲学外来の精神
☆「サザエさん」
→家族全員が休みにハイキングに行く。ほほえましい。
色々な問題があってもサザエさんが先頭になって一緒に連れて行く。
→愉快。人に安らぎを与える。
☆「無邪気に喜んで小さなことに大きな愛をこめている人物」
→「ドラえもん」と「サザエさん」と「アルプスの少女ハイジ」
☆「ゲーテの小説は自己形成小説」
→ゲーテをこよなく敬愛したのはヨハンナシュピリー。「アルプスの少女ハイジ」の作家。ハイジ、クララがいかに自己形成をしていったか?
いかがですか?すごいですね!
格調高い講話の次は、樋野先生との個人面談&テーブルトークです。
何人かの方々に感想を聞いてみました。
☆「沢山の可能性があるなあと思いました」
☆「来て良かったです」
☆「力を得ました」
☆「病気のことを楽しく(笑)話せました。他ではできない体験でした。」
☆「面談できました。先生と初めて話をしましたが『信頼できる』と思いました」
☆「以前から顔見知りでしたが、初めて同じテーブルになり、初めてお話できました。」
☆「初めてのメンバーで病気や色んな話ができました。」
☆「病との闘いの話を聞いて頂けてすっきりしました」
☆「初めて来ましたが、すごく和やかで癒されたた感じがしました。また来たいです。」
☆「友達(家族)に誘われて初めて来ました」 × 4名
そして、樋野先生の講話(後半)です。
☆「やるだけのことはやって、あとのことは心の中でそっと心配する~ほっとけ症候群」
→人は人との競争で悩んでいる
→自分でコントロールできないことに一喜一憂するな!
受け止めるしかない。
→自分でコントロールできることは全力を尽くす!
「本を読む」など
☆「人間はロビンソン・クルーソーのように、孤島に一人で住んでいたのでは、良い人か悪い人かわからない。人間社会の中に住ませて初めてその性(さが)が明らかになる。」
→「気になる人」と「気にならない人」
→相手が不愉快になるか、相手が慰められるか
☆「2つの道」
→神谷美恵子は43歳でがんになり、生きがいをもとめてハンセン病施設で精神科医として勤める。『同じ条件の中にいても、あるひとは 生きがいが 感じられなくて悩み、あるひとは 生きるよろこびにあふれている。このちがいは どこから来るのであろうか』 ・・・。「生きがい」を執筆。
☆「私たちはいつも分れ道にいる~自由意思」
→「沈黙の春」 by レイチェルカーソン
→日本語に訳したのは南原実(南原繁の長男) ペンネーム:青樹簗一
→雨は誰にでも降る(平等)が、傘をさすか、レインコートを着るか、家の中に入るか・・・は自由意思。
→人間は平等に必ず死ぬ。
☆「病理学」
→顕微鏡で病理診断と病理解剖
→病理学者だったからがん哲学外来ができた。
→「もしかするとこの時のため」
→生後数時間で亡くなった子も解剖する・・・人生の目的は何か?
何のために生まれてきたか?親は分かる・・・。
残された人のプレゼントになる。
☆「もしかすると、この時のためであるかもしれない」
→叔父モルデカイが、姪のエステルに言ったことば
→一見不条理に見えても何年後かに分かるかも
→エステル「私は、死ななければならないのでしたら、死にます。」エステル4:16
→「良い覚悟で生きたら自分のことはどうでもよくなる」=「ほっとけ」
「自分の役割・使命に気づくと自分のことが無頓着になる」
☆「患難(苦悩) → 忍耐 → 練られた品性 → 希望」
→「楕円形のこころ」の精神
→良いことだけの人生は良くない。
→相反するものが緊張感の上に共存。健康。生命現象。
→仲良しグループだけはダメ。がん細胞は同心円。
☆「歯を食いしばって人を褒める~カフェで訓練」
→3回カフェを続けると(訓練をすると)、習慣になる。
でも、1回でやめてはダメですね!
→人生の思い出。数十年後や、末期の患者さんがベッドの上で思い出す。
☆「映画『がんと生きる言葉の処方箋』」
→5月3日〜9日 新宿武蔵野館にてロードショウ上映 予定
☆「速効性と英断」
☆「人間は笑うが、動物は笑わない」
→一生懸命動物がやってたら、人間はほほえましくなって笑う。
無邪気に喜んで小さなことを一生懸命やってるのを見て。
→「怒る」ことは動物でもできる。
→「笑う」ことは高尚。人間の特権は笑う。
→歯を食いしばって人を褒める。
馬鹿にした顔でなく、悲壮感が漂った顔でなく笑顔で。
→人を慰める顔になる。顔を鏡で見る。
☆「森を見て木の皮まで見る」
→ちっぽけな細胞から宇宙を語れる
→がん細胞で起こることは、人間社会でも起こる。
→人間社会が がん化することを。
☆「人間に何故、寿命が与えられたのか?」
→アダムとイブ
→エデンの園には命の木と善悪の木があった。
善悪の木から食べてエデンの園を追放された。
善悪の木を食べて命の実を食べたのが、がん細胞。がん細胞は永遠に生きる。」
→「付加と削除」=「突然変異」=「がん化」
→YesかNoで答えれば良い。
☆「アダムは930歳で死んだ。ノアは950歳。アブラハムは175歳。モーセは120歳まで。」
☆「Quality of Death」クオリティ・オブ・デス
→「Quality of Life」クオリティ・オブ・ライフは語っても、「Quality of Death」を語らない社会。
→悲壮感が漂うような状態でも、ユーモアに語る。
カントの臨終の言葉「これで良い」
勝海舟の臨終の言葉「これでおしまい」
内村鑑三の娘ルツ子 「もういきます」
冗談ぽいことを本気で語る。
いかがですか?
神様の似姿としてつくられた人間は、心から笑う者として、どんな違う人とも共に分かち合って生きていける心と生き方を与えられていることに感謝です。
人間の力には限界がありますが、人間を創られた神様の創造の秩序の中で、私たちが削除したり、付け加えたりしないで、創り主の目的のままに生きて行けるように・・・。天からの御声を聞かせていただいたような樋野先生の講話に感謝します。
どうですか?すごいですね!
毎回東西南北遠近から多くの方が参加してくださいます。それぞれに、他の場所では言えないような深い悲しみ、大きな痛みの中から、このカフェに来られ、問題が解決はしなくても解消され・・・いつの間にか、カフェの実践の後
次回は「3月14(木)13時半~16時」です。
以前お伝えしていた日程と変更になっていますのでご注意ください!
ちなみに4月も18日(木)13:30~16:00に変更になっています!
もちろん、樋野先生の言葉の処方箋も沢山処方して頂けます☆
是非ご家族。ご友人をお誘い下さい。
初めて参加されるご近所の方や他府県からの方も毎回複数組おられます。
是非、お気軽にいらしてください☆
2019年の今後の詳しい日程はこちらをご覧ください。
※個人面談は、毎回3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。
※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。
※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。
なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。
さて、樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!
樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!
様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆
先生が、よく言われる言葉に「人生の3大邂逅」があります。その中の一つ、「よき読書」です!
「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」などが中国語に翻訳されています。
韓国語版も販売されていますが、題名が「偉大なるお節介」となっていますのでご注意ください。
とにかくすごいです!次から次に毎月のように著書が出ています!
どなた様も、お気軽におらしてください☆
がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆
※2019年の予定は こちら
※淀橋教会への行き方は こちら
さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。
現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!