第28回「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」

秋らしい天候になてきましたが、季節の変わり目、朝夕と日中の温度差や台風の湿度・低気圧で今年はなんとなく長期に体調を崩されている方も多いようです。今回も、参加したくても、健康上の理由、家族のケアのために参加できなかった方が複数おられますので、お分かちさせて頂きます。

 

今月も、全国各地を駆け巡っておられる樋野スマイル&格調高い講話に、笑いと感動と知性の充足感がありました。参加者一同、感激いたしました。

 

まずは、前半の樋野興夫語録です。今月も笑顔が素敵でした!

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☆年を取ると時がたつのが早く感じる。

☆日本の引きこもりは年間50万人、日本の自殺は年間3万人と言われている。

☆「外に出る~現実を知るのが大切」 
 モデルはモーセ 40歳

☆新渡戸と矢内原は、「悩んでいる学生は来づらい」と思い行動。
 矢内原は東大の総長をリタイヤした時に、悩める学生のために本郷通りでカフェを開いた。矢内原は父のことで悩み、内村に相談した。内村に「私も分からない」と言われ、矢内原は「あの内村先生も分からないなら」と悩みが解消した。「誰が言ったか」が大切。矢内原は悩みが解消した。

 新渡戸は、第一高等学校の校長の時「校長室に悩める学生は来づらい」と思い、木曜日の午後に、学校の近くに部屋を借りて悩める学生と過ごした。その中に矢内原もいた。

☆人生は思い出づくり。その時に何の役にもたたなくても、後になって「このときのため」と思うことがある。

☆最近、自殺予防や看護の電話相談員の為に講演を依頼される。今は対話が重要。

☆「21世紀の新渡戸稲造の相関図」が、予想外の反響である。

☆良いことは気になる  のちに思い出す

☆ある大学で専門の病理学の講義の特別講義をしたところ、「人生相談的」な質問が多かった。今は、こういう質問する場が少なくなっている。

☆病院に「がん哲学外来 メディカルカフェ」があると、中には医者も病人もいる。
 診察室では言えない普通の話ができる。
 全ての患者の必要に答えるためにするがん哲学外来。
 対話学の訓練・習慣をつけると、馬をおりて花を見れるようになる。

☆訳の分からない事が人生残る。何かの目的で来たものはほとんど人生残らないことが多い。自分が期待しないことが何かに触れた時に意外性として残る。意外性の中に本物がある。「なぜ行くのか?」と思う時もあるが、そういう時にこそ良い出会いがある。

☆「人生いばらの道、されど宴会」。本当の真実はゴミの中にある。

☆良いシステムを作る

 

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※そして、個人面談の時間!面談は別室で、他の方々は、同じテーブルになった方々との1時間の対話の時間です。

グループごとの分かち合いの時間も、和やかに過ぎて行きました。

各グループからの感想を以下に記載します。

続きまして、樋野先生の個人面談&各テーブルでの対話学実践の1時間。
各テーブルの感想を少し紹介させて頂きます☆
☆「伝える能力、聞き取る力、受け止める能力が対話の中で磨かれていく気がしました」

☆「カフェっていいですね」

☆「今日参加して貴重な話が聞けて、すごく得をした気分です」

☆「毎回、いろんな方との出会し、対話を楽しませてもらっています。他の場所ではこのような所はないです。」

☆「思いがけないつながりがありました」

☆「対話の中で訓練」

☆「初めての方と久しぶりの方のテーブルで色んな話ができて良かったと思います」

☆「病気を良い方に受け止めていく大切さを知りました。病気であっても病人でない。悪い面ばかり掘り下げるのではなく、一つの流れの中で少しずつ受け止めながら一つ一つ消化させて頂く。将来のことは分からないが、今を一つずつ受け止めていくことが必要だと体験者(病気の先輩)から教えて頂きました。」

☆「受け止めていくことができる関係に感謝です」

☆「初めての参加でしたが、普通に話することを楽しませて頂きました。宗教の話や、価値観の話をさせて頂いた。医者ですが、病院の中だとこのように話す機会がないので、良い刺激になりました。(初対面の方も多いとのことですが」皆さん仲が良いなと思いました。」

 

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そして、後半の樋野興夫語録です。相当格調高かったです!

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☆通える距離にカフェの会場が数か所あると良い。
 空っぽの器を用意する。場所の設定。来た人が水を入れる。
 水を入れてから用意するのではない。
 一ヶ月の予定が元気な時と全然違う。
 手帳に1ヶ月に1回か2回予定を書けるように場をつくる。
 自分のためにやるのではなく、もっとも困ってる人のためにやる。
 一番困った人に、時間と場を提供(カフェの心構え)。
 色んな曜日、色んな時間、多様性のある器を用意する。
 あんまり密にすると患者が忙しくなる。
 1ヶ月に1回行ける場所を提供するぐらいがちょうど良い。
 3ヶ月に1回は健康な人には良いけど、病気の人には長すぎる。
 さりげなく「一番いい方法は何か?」考えながらやる。

☆自分の人生はプレゼント。人の心に残してあげる。あとで思い出す。
 
☆しゃべりたくても黙る習慣をつける

☆患者さんの来た時と帰る時の顔が違う(がん哲学外来の特徴の一つ)

☆速効性と英断。良いと思ったら相談せずにパッとやる(責任をとるのは自分)。

☆皆で相談して「良いね」と言いながら、後で人のせいにするのは、人間としての胆力がない。

☆病理学  30秒間で診断する訓練  人と相談している暇ない
 誤診だと自分の責任

☆がん哲学外来ができた経緯
 2007年がん拠点病院は「がん相談」を持つ必要があったが、患者には敷居は高かった。
 2008年1月から順天堂大学でスタート。

☆世の中には「タイミング」と「隙間」がある。パッとやる。
 いい加減でないのを示せば世の中が認めてくれる。
 
☆「がん哲学」の名前の由来は、南原繁の「政治哲学」と吉田富三の「がん学」をドッキング。
 2005年 クボタショック 順天堂で8月に「アスベスト・中皮腫外来」を開設。
 外来で、待っている患者さんと30分間対話をした。その時に「必要」と思った。
 新聞社が来て、次の目標を「がん哲学外来」と語ったら、新聞に載った。

☆「もしかするとこのときのため」  チャンスを逃す人が沢山いる
 人と相談するから・・・その時にパッとやる(責任は自分)
 人を気にさせる。何も説得してない。良いことは気になる。

☆南原繁が東大の総長の時、教育基本法を作る際に国会に呼ばれ、議員から「やじ」が飛んだ。その時に南原は「私がいい加減に見えるか?」でヤジはやんだ。弁解じみたことを言わず。

☆山極勝三郎(世界で最初に癌をつくった人)1915年 
 映画「うさぎ追いし 山際勝三郎物語」 http://usagioishi.jp/

☆冗談か本気かわからないことを真剣にする

☆人がやりたいと言ったことには喜んで「自分の肩書」をつけるが、自分からやりたいとは言わない傾向のある日本人 やりたいと言ったことを人に相談したらだいたいつぶされる。

☆「リーダーが犠牲になると不平不満がストップする」二宮尊徳の言葉を内村鑑三が書いている。
 
☆さりげなく若き日から夜を徹して本を読む
 19歳から樋野青年は読んだ。出会った先生が、南原繁の東大法学部時代の教え子で、彼は、いつも南原繁のことを褒め、「将来社会に出たら南原のような愛情豊かなスケールの大きい人物になれ」と毎日言われた。さりげなく真似てみようと思ったが、南原を知らないから南原の本を買った。全10巻読んだ。戦前の文章は難しい。東大の総長になって入学式と卒業式の文章は分かりやすい。その中に、「私の先生は新渡戸稲造と内村鑑三」と書いている。「明治以降 新渡戸先生に勝る教養ある人物はない」とも書かれていた。自分の尊敬できる人が良いと言った本は読める。

☆尊敬できる人を真似て実行する
 「先生に騙されていい」  親鸞が法然に言った言葉。

☆良い先生、良い友、良い読書  人生邂逅の3大法則

☆病気であっても病人でない

☆人生いばらの道、されど宴会

☆明日のことまで煩わずに今日を一生懸命に生きる。
 明日死んでも、今日この花に水をやる
 人と比較しなくなる。比較で人生悩んでいる。

☆一見、華やいだ生活をしているようでも、夜の18時に寂しくなる人が多い日本人。

☆病気であっても病人でない。がんは単なる個性であるという社会をつくる。
 そのためのがん哲学外来。

☆まだ医療維新来たらず。医療者は馬の上から花を見てる。
 「勝海舟」が必要。
 勝海舟、批判者に対して「のみやシラミがチクリと刺してるのに過ぎない。」
 新渡戸は勝海舟を尊敬したので、勝海舟の言葉を引用している。

☆多くの人は、人と比較して、自分の住処で論じてる。

☆向上心のある虫になれ。 by 新渡戸稲造
 空の上から自分の住処を見る習慣をつけよ

☆どんなに悩んでいる人間でも脳の引き出し(数百ある)にあるうちの5つの言葉で満足する。
風貌(顔)を見て、脳の引き出しから5つぐらい語って1つは当たる。人間の多様性。
「グレーゾーンを確信を持って語るには、愛しかない」
自由意思。本人が選ぶようにする。
5つを誰にどう話すかが教養。自分の教養を磨く。

☆意識的に人に言う訓練。学んだことを人に自分の言葉として語って自分の肉になる。

☆教育とは全ての物を忘れた後に残るもの。

☆タイミングはやってくるもの。どう使うか?

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すごいですね!

お一人お一人の心と体のすべての営みが支えられ喜びあふれ、次のカフェ、また、各地のカフェが良い場所、時を提供できますように・・・。

 

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次回は11月15日(火)13:00~16:00です。皆様のお越しをお待ち申し上げます☆

以前の予定では、17日(木)となっていましたが、15日に変更になっていますのでご注意ください!

2017年もご多忙の樋野先生が毎月来て下さることになりました。まずは、上半期のみのチラシができましたのでご覧ください。

 

※個人面談も3人程可能ですが、事前申し込みが必要です。個人面談をご希望の方は、3日前までに yodobashi@church.email.ne.jp または03-3368-9165 で、中村和司/市川牧子担当教師宛でご連絡「○月メディカルカフェ面談予約」でお申し込みください。最近は、事前申し込みをしないと、当日では面談してもらえないことが多いのでご注意ください。

 ※個人面談が不要の場合は、登録の必要はございません。当日お気軽にお越しください。

※ご多忙の樋野先生のご都合などにより3週間ほど前までは日程変更もありえますので、このサイトや電話などで直前に今一度ご確認くださいませ。

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なお、「がん哲学外来 メディカルカフェ@よどばし」の第一回目から今回までの内容は こちら にアップされていますので、時折思い出しては何度も読み返してみられるのも良いかもしれません。先生の顔写真などの画質は相当小さくしていますが、雰囲気はお楽しみ頂けると思います。

 

 

樋野先生の出版されている著書は実に沢山あるのですが、以下の本などは「がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし」でもお買い求めいただけます。本当に連日テレビや雑誌で樋野先生や「がん哲学外来」や「メディカル・カフェ」が取り上げられています。すごいです!

樋野先生の柔和な表情をご覧いただくだけでもほのぼのしますが、ことばの処方箋素晴らしいですね!よく効きます!無料!副作用ゼロです!年間の予定が出ていますので、是非、お気軽にいらしてください。途中の出入りもOKです!

 様々なことで、どうしても参加が難しい方には、沢山ある書籍の中から特に以下のものをお勧めいたします☆

 いい覚悟で生きるがん哲学外来から広がる言葉の処方箋  明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい

見上げれば、必ずどこかに青空が  がん哲学外来へようこそ (新潮新書)

あなたはそこにいるだけで価値ある存在   がん哲学外来で処方箋を カフェと出会った24人

こころにみことばの処方箋 世界に広がる「がん哲学」

 

 

どなた様も、お気軽におらしてください☆

がんの方も、がん患者の家族の方も、人間関係に疲れておられる方も、元気な方も、初めて方も、「将来のために」備えたい方も・・・どなた様も大歓迎です☆


※今後の予定は こちら

※淀橋教会への行き方は こちら

 

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さて、この素晴らしい樋野先生の講話・・・実は日本各地、時には海外で連日のように講演をされています。
詳しくは 「一般社団法人 がん哲学外来」 をご覧ください。

現在94カ所ほどのメディカル・カフェが全国で行われていますが、全国に7千ヶ所必要と言われています。
医療の隙間を埋める場として、ますます必要が叫ばれているこの働きがさらに広がっていきますように!
世界の悩める人々のために豊かに用いられますように!