アガペーCGN第62次:12月7日(日)~11日(木) 岩手県大槌町、宮城県仙台市
今回は、岩手県大槌町内の仮設や施設など9ヶ所での「クリスマス・コンサート」と、各所訪問に行ってきました。初期の頃から継続して交わりをもたせて頂いてきた方々との再会はお互いに喜びでいっぱいです。わずかな時間ではありましたが、それぞれに賜物を生かしてかけがえのない素敵な時を過ごさせて頂きました。
クリスマスメッセージは、アガペーCGN代表でもあり、サンタさんやイエス様の大切な友だちの「ヨンタさん」がユーモアたっぷりに、わかりやすく真理を伝えて下さいました。ピアニストは、宮崎県よりプロの(仙台生まれ)Yさんが参加して下さいました。Yさんが素敵な衣装で出てこられると皆さん、一同に「ワァ~!」と大喜びでした。トナカイ役のRさんはどこに行っても大人気でした☆今回は、音響機材やプレゼントでわずかな隙間もない程に車が埋め尽くされ、非常に狭い車中となりましたが、皆様の喜ぶ顔を思い浮かべながら、4人の隊員で知恵と賜物と力を合わせて精一杯励みました。
<12月7日(日)>
13時過ぎに淀橋教会を出発。約520キロの移動。道中、震災後からのことを色々と思い出し、祈りつつ、分かち合いつつ・・・。夕食には、超おいしい三陸応援「磯ラーメン」を食べ、花巻の宿には22時頃に到着!
<12月8日(月)>
6時起床。デボーション、洗面、荷造り・・・。7時の朝食、7時半出発・・・。
いざ、大槌町へ。
予定通り9時半にはA幼稚園に到着でき、早速、素敵な演奏に耳傾けてもらいました。2時間ほど一緒に過ごせてうれしかったです。子ども達はYさんを見て「きれい~☆」「すごい!」・・・と大騒ぎでした☆一緒にクリスマスキャロルなどを元気いっぱいに歌ってくれました。
普段はレストランやホテルなどでクラシックを中心に演奏しておられるYさんですが、さすがです☆急な要望にも応えてくれました☆
続きまして、「たいせつなきみ」の巨大絵本。時折笑い声も聞こえましたが、真剣に聞いてくれました☆
その後は、サンタさんの大切な友達の「ヨンタさん」への『何でも質問コーナー』。さすが、子どもらしい質問が次々と出てきました。「サンタさんは何歳ですか?」「サンタさんはどこに住んでいますか?」・・・。難問、珍問に、ヨンタさんは笑顔で即答。子どもたちは、納得できたようで、感心していました。
終了後も、Yさんもヨンタさんもトナカイさんも握手やハグや質疑応答で大忙し☆でも、皆すごく楽しそうでした。トナカイさんの「高い高い」も人気がありました!
午後は、行きつけの店でコッペパンを購入して、町を見渡せる高台に上りました。町民の思いは様々に交錯しており、ペースはゆっくりですが、確かに復興は進んでいます。
午後は、Bディサービスにて、サンタさんのもう一人の友人の「ゴタさん」が特別出演。急にふったのですが、喜んでクリスマスの歌を得意のきれいな英語で歌ってくださいました。ゴタさんは、震災後に大槌町内にたてられたジョイフルハウス(教会)の先生であり、この施設の職員さんです。ヨンタさんのお祈りに、皆様、心と手を合わせて下さり、涙される方も複数。
クリスマスキャロルをみなさんと歌いましたが、大変お上手で、来年はどこかで歌っても良いぐらいでした。素晴らしい聖歌隊になっていました。あっという間に1時間が過ぎました。
その後、C小学校の子ども達と1時間のクリスマス会。子ども達の目がキラキラ輝いていました☆ピアノを習っている子も複数いて、興味をもって聞いてくれていました。
子ども達は、小学生らしい質問を「ヨンタさん」に次々としていましたが、「ヨンタさん」の返答もお見事でした☆クラッシックの曲にも心と耳を傾け、アンコールも出ていました。
夕食は、宿で頂きましたが、今回も毎回手作り料理が所狭しと並びました。カブの漬物も美味しかったです。しかも、初期の頃からのお付き合いのある方から頂いたアワビを宿の方に刺身にしてもらいました☆コリコリしていておいしかったです!なんという恵みでしょうか!
<12月9日(火)>
5時起床、6時出発、港へ。
まだまだ深さ数メートルのコンテナの中には大量の鮭が・・・。陽はドンドンが上ってきていますが水揚げは続きます・・・。
イカなどもとれていました。
まだまだ作業は続きましたが、「クリスマスコンサート」の準備のために、宿へ戻りました。
ちなみに、この日は8千匹の鮭が定置網でとれました。大槌の定置網や船や漁港などを支援しているFIDRの代表の一人が、アガペーCGNの代表でもあるので、大槌に行くときには毎回のように港に行くようにしていますが、大漁だとやはりうれしいです。ちなみに、8千匹だと左の巨大容器がメス鮭で20ケース、右の巨大ケースがオス鮭で20ケース分ほどの量だそうです。
ちなみに、漁港で頂いたメス鮭2匹のうち、軽い方を持ち上げてみるとこんな感じです。立派な鮭ですね!
お腹にはイクラがたっぷり☆宿のお母さん、さすがです!手際よく、あっという間に下ごしらえ。
いつもながら、夕食のような朝食です・・・。母強し。
朝8時半からD仮設で皆さんと一緒にラジオ体操。
こんな風景も・・・
9時過ぎからD仮設団地の公民館で1時間のクリスマスコンサート。寒い中でしたが、送迎車や徒歩で多くの方が来て下さいました☆在宅の方も数名参加して下さり、うれしかったです。終わってからも、お茶を飲んでのひと時がまた良かったです。
その後、大槌町内のアガペーCGNが関係している2つの畑を見に行きました。まだ少し小さいですが、美味しそうな白菜ができていました。時期ごとに色々な物が収穫でき、地元の方より、「育てる喜びや与える喜びを味わえる」「やることがあるということがうれしい」「素人だけど、楽しい。やりがいがある」との声を多く聞くことができました。また、鹿が食料を求めて畑にやってくるそうですが、「アガペーさんからのネットのおかげで、野菜が守られています。動物の足跡はいっぱいあります。熊の足跡も~。これがそうです。・・・。」との喜びの報告を受けることができ良かったです☆
各所でのクリスマスコンサートでは、サービス精神旺盛で表現豊かなトナカイ役に徹してくれたRさんが、地元の方の声にも真剣に耳を傾けておられたので、思わずパチリ。
その後、ある方を訪問すると、鮭の荒蒔(あらまき)を次々と作っておられました。笑顔で「ボランティアに来てくれた人たちに送りたいから」とうれしそうに語ってくださいました。
漁師さんや水産加工の専門家でなくても、どうやら荒蒔(あらまき)を作れる大槌町民は結構おられるようです。あちらこちらの家の軒先に荒蒔が干されていました・・・。さすが漁師の町!周りに漁師関係者がいなくても、普通に鮭をさばいて、家伝のオリジナルの「イクラ」をつくることのできる方が多い町のようです・・・。あちこちでイクラやアワビを頂きました・・・。
そして、学校と保育園と幼稚園など訪問をし、少し遅い昼食は、愛情たっぷりの仮設店舗で「浜っ娘ラーメン」と「わかめカレー」などをそれぞれ頂きました☆いつもながらどれも美味しかったです!「わかめカレー」は和風味のカレーですが、半年迷ってようやく今回勇気を出して注文してみました。意外な味で、不思議な感じでしたが美味しかったです。
午後は、E障がい者施設での30分間のクリスマスコンサート。利用者さんからは「見たことある。この前も来て下さいましたね(コンサートは和太鼓に続いて2度目)」「よくできました!OKです!」「きれい。結婚式(Yさんの衣装)」「上手でした!」「和太鼓を待ってます。連れてきてください。」などのお褒めの言葉をたくさん頂き、職員さんからも「来年も是非お願いします」・・・とすごく喜ばれました。
その後、F高齢者ディサービスで30分間のクリスマスコンサート。元気よく歌ってくださいました。お一人お一人と声をかけ合い、良い時を過ごさせて頂きました。馴染のあるクラッシックの曲などでは、リズムをとって指揮をしておられる方も数名おられました。
片づけをして帰ろうとしたら・・・「アガペーCGNが大槌に来ている」と知った方たちが、コンサートが終わるのを待ち構えてクリスマスプレゼントを手渡しに来て下さいました・・・。アワビ2つと、冷凍の鮎とイワナと、イクラ、ソッコ・・・!早速、宿で、アワビとソッコを刺身にしてもらいました。2日連続のアワビです。毎日食べていたから、大槌では安く手に入るのか地元の方たちに聞いてみたら・・・「大槌でもアワビやイクラや荒蒔は高いよ。私たちでも毎日も食べないよ」とのこと・・・。皆さんの愛を感じました。ソッコもすごくおいしかったです!
毎回、宿の食事で全ての疲れが解消され、新しい力で満たされるのを体験しますが、今回もそのような感じでした。
お腹いっぱい食べて、ミーティングとデボーションの後幸せのうちに眠りにつきました。
それにしても、何を食べても美味しいです。大槌のお母さんたちありがとう!
お母さんと久しぶりにゆっくり話ができてうれしかったです。相変わらず、マリア様のような生き方を実践されています。
<12月10(水)>
5時半起床、掃除。6時30分荷積み。6時45分食事、デボーション、7時15分出発。掃除をしてから出発!今回は大槌泊が2日だけでしたが、快適な宿を感謝します。
朝食なのに夕食のような品揃え。しかも劇ウマ!添加物使用せず。イクラは毎食。すごいです。
今朝も港へ。
移動中、FIDRが寄付した「おおちゃん(大槌のキャラクター)バス」を発見!
子ども達も、高齢の方も利用して下さっているようで、うれしかったです。
朝の8時半~G高齢者施設で30分間のクリスマスコンサート。どなたも毎朝4時半~6時に起きておられるようで・・・「朝早くても良いのでまた来てください」とのことでした。
「さくらさくら幻想曲」が特に喜ばれました☆クリスマスキャロルもしっかり声をだして歌って下さっていました。トナカイさんも、予想以上の人気でした。
その後H高齢者施設での1時間のクリスマスコンサート。クリスマスの曲を楽しんで下さり、「さくらさくら幻想曲」「きらきら星変奏曲」も喜んで下さっていました。
この日106歳の誕生日の方がおられ、一緒にお祝いできてうれしかったです。
昼食は復興食堂にて。初めて入った店でしたが、美味しかったです。
「イクラは店の数だけ、家の数だけ味付けが違う」と言うのは本当のようです。どこのイクラも美味しいですが、確かに味が違います。
午後は、仮設住宅の集会所でのクリスマスコンサート。
寒くなってきたから、イベントがないと、外に出ることはほとんどない。口々に「仮設は狭いけど寒いと外には出ないよ。」「久しぶり」・・・あちこちで近況報告をされていました。
その後、ジョイフルハウス、大槌のお父さん、他数軒訪問し、いつものガソリンスタンドで給油をして、花巻の宿に移動。途中で、地元の方から美味しい岩手で有名なケーキを頂きました。
それにしても、あちらこちらで「愛のドラマ」は日々見受けられます。特に、家族たちの献身的な愛による看病で医学の常識を超えた奇跡が起こっています。その感動の一部に毎回わずかでも立ち会える恵みに感謝します。数年前から数か月前までは寝たきりだった方が、10月には座位で歌を聞いてリズムをとってくださり、今月はお土産に持っていった柿を食べてくださり、話しかけると声を出して返事することができるまでに快復しておられ・・・すごいです!
また、ある訪問先では「カリン食べる?とってあげようか?」と言って、慣れた感じで塀をよじ登り、カリンをとってくれました!ありがとう!
帰る直前に、別の用事で大槌町内で一番大きなお店に入ると・・・荒蒔とイクラを発見!やはり予想以上に高価でした。日によって違うし、参考にならないかもしれませんが、この日は荒蒔鮭5880円、イクラが少しで4980円でした。現地でこの価格だと、東京に来たらもっと高いに違いないでしょう。どうやらこの数日相当良い物を食べたようです!ありがたみが増しました。
夕食は宿のある花巻までお預け。料理を作って下った方も被災された方でした。初めてのお店でしたが、すごく美味しかったです。ここで、食べている時に、もう一人の方に出会いましたが、大槌町にボランティアに行ってるとのこと!すごい出会いでした。宿には21時半に到着。
<12月11(木)>
7時朝食、デボーション、8時出発。
仙台で2ヶ所の訪問の後、仙台名物「牛タン」を食べに行きました。予算からオーバーした分は自己負担でしたが、幸せなひと時でした。寒い中よく頑張りました。自分へのご褒美です。
交わり、天候、運転、健康、スケジュール・・・みなさんのお祈りを感謝いたします!
冬はボランティアが激減・・・「このまま忘れ去られて行くのでは・・・」という「寂しさ」、「家や復興住宅を建てるにも安全と思われる土地がない。でも、生まれ育った大槌の地を離れたくない・・・」という「はがゆさ」「葛藤」を抱きながらもお互いに声をかけ合って今を生きておられる様子を垣間見させて頂きました。この冬は、大槌町内のボランティアは、岩手県内の方がチラホラおられる程度で、県外からのボランティアはほぼ皆無のようです。そのような中、いつものように顔を出すと「あんたらぐらいだよ。ありがとうね。」「まだ来てくれるの?寒くなったし、道も凍るから運転気をつけてね。ほんとうにありがたいよ。」「アガペーさんが来てくれたらみんなとこうやって集まるきっかけになる。ありがとうね。」・・・中には再会できただけで涙する方も・・・。
「ただいま」「行ってきます」「また帰ってきますね」・・・再会を約束して「身」は大槌の地を離れましたが、「心」には愛する大槌町の人々がおられます。愛の交流はまだまだ続くことでしょう☆続く第63次にバトンを渡します!